車を洗車する際に、ガソリンスタンドで見かける「ドライブスルー洗車機」を使ってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
自分で手洗いするより楽そうだし、思ったより安そうだから使ってみたいとは思って「傷が入りそうだけど大丈夫かな」「使い方がわからないから踏み出せない」と躊躇しているからも多くいると思います。
当然ながら、「ドライブスルー洗車」はメリットもありますが、その反面気をつけなければならないデメリットもあります。
本記事では、まずドライブスルー洗車機の基本事項をお伝えした上で、ドライブスルー洗車が向いている人とそうでない人、ドライブスルー洗車機の値段・注意点などを、1987年創業「車のコーティング専門店ポリッシュファクトリー」の及川が解説します。
この記事を読み終える頃にはご自身がドライブスルー洗車が向いているのか、手洗い洗車が向いているのか分かるようになると思います。
また、一般的な「洗車の頻度」は以下のページで解説しておりますので参考にしてください。
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【基本】ドライブスルー洗車とは何か?
「ドライブスルー洗車」とは、車に乗ったまま門型の洗車機によって自動で洗車を行うことをいいます。
勘違いされている方もいますが、飲食店舗で見られるドライブスルーのように、通り抜けたら洗車が完了しているわけではなく、数分の間、門型の洗車機が往復しながら洗車を行います。
また、車に乗ったまま料金の支払いから洗浄まで完了できるという利点があります。
洗車にかかる時間は選択するコースにもよりますが1~6分程度が一般的で、汚れを落とすのみの単なるシャンプー洗車ですと約1~2分で終わるものもありますので手洗いで洗車するより圧倒的に短時間で車を洗うことができます。
ドライブスルー洗車機のメリット
コーティング・洗車のプロが考える『ドライブスルー洗車』のメリットは以下の2点が挙げられます。
中でも「短時間」で終わるという点は機械ならではのメリットかと思います。メリットの詳細をそれぞれみていきましょう。
手洗いに比べ圧倒的に短時間で洗車ができる
一般的には洗車機のパネルで支払い方法を選択後に支払いを済ませれば車の停止位置のアナウンスが表示されます。指示に従い車を停車させれば洗車がスタート。
ドライブスルー洗車はコースにもよりますが、長くても5分前後で洗車が完了するというのが圧倒的なメリットです。
洗車が10分もかからず終わるというのは手洗い洗車ではまず考えられません。手洗い洗車ですと、45~60分程度は平均してかかりますので時間的なメリットは非常にあると言えます。
参考までにガソリンスタンド大手エネオスさんのドライブスルー洗車(EneJet Wash)のコース別所要時間を表で整理しましたのでご参考にしてください。
メニュー名 | 所要時間 | コーティング種類 | 向いている人(HP上の表現) |
シャンプー | 1分45秒 | - | 毎週でも洗車をしたい方 |
ワックス | 1分45秒 | ワックス | 手軽にツヤを出したい方 |
泡ブローワックス | 3分30秒 | ワックス | 経済的に時短で綺麗にしたい方 経済的な高圧ブロー+ワックス |
泡ブローコート | 3分30秒 | ポリマー系 | 気軽に高品質コーティングを体感したい方 経済的な高圧ブロー+ポリマー系コーティング |
泡ブロースプレンダーコート | 5分30秒 | ポリマー系 | 深みを増した高品質なツヤを体感したい方 最上級ポリマー系コーティング |
泡ブローグラスコート | 5分30秒 | ガラス系 | 鏡面にも似たクリアな輝きを体感したい方 |
泡ブロープライムコート | 6分00秒 | ガラス系 | 最高品質のコーティングを体感したい方 最上級ガラス系コーティング |
(参考サイト:EneJet Washよりポリッシュファクトリー作成)
忙しい時や、急いでいる時にはドライブスルー洗車機は特にオススメです。
なお、注意しておきたいのが洗車後の「拭き取り」です。洗車機はエアーはしてくれたとしても基本的に水滴を完全に除去することはできないです。ドライブスルー洗車機で洗車した後は拭き上げスペースに移動、残りの水滴を拭き上げという作業はありますが、デメリットとまでは言えないのでこちらに記載します。
価格が手洗い洗車に比べて安い
洗車の料金が安いというのもメリットの一つといえます。
大手ガソリンスタンドの洗車機のコース別の金額は水洗いのみで100円〜300円、シャンプー洗車が300円〜、ワックス系が600円~700円、コーティング系が1,000円〜2,000円程度と比較的安い価格で洗車プラスアルファまで行えます。
ドライブスルー洗車機のデメリット
コーティング・洗車のプロが考える『ドライブスルー洗車』のデメリットは以下の3点が挙げられます。
デメリットはなんとなく想像はついている方もいるかもしれません。詳しく解説していきますので自分にとってデメリットと感じるかに焦点を置いてお読み頂ければと思います。また最後の3つ目のデメリットはほとんどの方が知らないことですので注意です。
洗車ブラシによってボディが傷つく場合がある
ドライブスルー洗車機の一番のデメリット(懸念点)は「洗車機による傷」の恐れです。
洗車機を使うと、手洗い洗車に比べ微細な傷が入りやすいためです。
洗車機の基本的な仕組みはブラシを高速で回転させてボディを洗い上げます。1日に何台も汚れた車を洗いますので当然ながらブラシに砂塵や汚れが付いていることもゼロではありません。そのブラシでボディを洗うことにより思いがけずに傷が入ってしまうことはあります。
また、仮に綺麗な状態のブラシでもブラシそのものによる微細な傷は少なからず入る可能性は高く、濃色車などはその微細な傷が見えやすいため特に注意が必要です。
一方、近年は柔らかい素材のブラシへ改良もなされてきており、昔と比較し傷がつきにくくなってきているのは事実です。
細かい部分の洗い残しの可能性がある
機械に任せるのでしょうがないと言えばしょうがないのですが、洗車機が綺麗にできるのはその機械のスペックで定められた範囲内ということです。
つまり、専用ブラシが届かない細かなところは洗えないというのがデメリットです。
洗えていないよくある例でいえば、ドアミラー下やワイパーを含むカウルトップ部、ドアハンドルの付け根などは頑固な汚れの場合は結構残ってしまいます。
選択してはいけないコースがある
ドライブスルー洗車で選択してはいけないコースがあるとはどういうことでしょうか。
専門店やディーラーで本格的なコーティングをした方はドライブスルー洗車でのコース選択は気をつけなければいけません。
ガラスコーティングやセラミックコーティングなどの硬化型のコーティングをした後にドライブスルー洗車などでワックス洗車やコーティング系洗車を行うと本来のコーティングの効果が失われる可能性が大いにあります。
基本的には本格的なコーティングをしたあとに洗車機を使用する場合はなるべく一番安いコースのシャンプー洗車を選ぶとリスクを回避できます。
上記3つがドライブスルー洗車の代表的なデメリットです。
ドライブスルー洗車の料金
大手ガソリンスタンド系ドライブスルー洗車の料金を表にまとめてました。
一番リーズナブルなシャンプー洗車は300円とかなり良心的な金額です。
一方、ワックス機能やコーティング機能を追加したハイクラスなドライブスルー洗車のメニューは1,000円を超えてくるものもあり、手洗い洗車が3,000円前後と考えると1,000円以上払うなら手洗いを選択する方も増えてくる印象です。
メニュー名 | 値段 | 洗車機の往復回数 |
シャンプー | 300円 | 1.5回 |
ワックス | 600円 | 1.5回 |
泡ブローワックス | 700円 | 2.5回 |
泡ブローコート | 1,000円 | 2.5回 |
泡ブローグラスコート | 2,000円 | 3.5回 |
(参考サイト:ドライブスルー洗車機【ENEOS Enejet亀岡】よりポリッシュファクトリー作成)
上記ガソリンスタンドの系列で手洗い洗車となると、プリウスサイズで3,050円〜とやはり機械洗車よりは高くなる傾向にあります。なお、店舗によっても若干の違いはあるので詳細は各店舗ご参照ください。
(参考サイト:Dr.Drive セルフ土浦駅東SS)
ドライブスルー洗車のやり方
エネオス(eneos)のドライブスルー洗車のやり方
STEP1:入り口に入り車を寄せる
洗車機のゲートの近くまで愛車を寄せます。
洗車機の操作パネル近くに車を止める目安の「停止線」があるはずなので停めましょう。
STEP2:パネルを操作し希望のコースを選択
洗車機の操作パネルをタッチし、洗車コースを選びましょう。
近年は現金だけでなく、クレジットカードや電子マネーも使えるので安心です。
なお、ENEOSの洗車機の場合は「エネキー」も使えますね!
STEP3:ミラーを畳み、アンテナは収納
代金を支払ったら、車のミラーやアンテナを畳みましょう。
ちゃんとタッチパネルで注意喚起してくれます。
STEP4:スタートボタンを押す
スタートボタンを押すと停止位置を知らせるアナウンスが聞こえますのでそれに従います。
STEP5:停止位置に進む
重要なことは必ず窓をしめることです。停止位置にいくとランプで知らせてくれます。
STEP6:エンジンを切る
停止位置にいったらエンジンを切るだけです。
あとは優秀なドライブスルー洗車の機械が洗車をしてくれます。
STEP7:ドライブスルー洗車終了後は拭き上げ
終了の合図がありますので、終わったら拭き上げのスペースに車を移動させ、残った水滴を拭き上げます。(絶対に拭き上げはサボらないでください!)
ドライブスルー洗車がおすすめな人は「短時間で・安く」愛車を綺麗にしたい方
自分の車を「短時間で」「安く」綺麗にしたい方はドライブスルー洗車がオススメです。
例えば
ドライブスルー洗車の「シャンプー洗車」がおすすめ
コーティングを既にしているが、日常が忙しく洗車の時間が作れない。手洗い洗車をお願いするのは結構お金もかかるし、傷は多少は気にならないという方
ドライブスルー洗車の「ワックスorコーティング系洗車」がおすすめ
コーティングはしておらず、とにかく早く洗車をしたい人、ガソリンスタンドなどの手洗い洗車は結構お金も時間もかかると感じている方
ドライブスルー洗車もたまにはおすすめ
コーティングを既にしているが、仕事が忙しい時期でなかなか洗車ができない。手洗い洗車をお願いする時間(45~60分)も惜しいし自分で手洗いするのは困難な方はスポット利用でドライブスルー洗車を利用するは良いと思います。特に黄砂・花粉の季節などは洗わず放置よりは機械洗車でも洗った方が良いこともある。
手洗い洗車がおすすめな人は「傷をなるべくつけず・細部まできっちり」綺麗にしたい方
自分の車を「なるべく傷をつけず」「細かいところまできっちり」綺麗にしたい方は手洗い洗車がオススメです。
例えば
ご自宅や洗車場で行う「手洗い洗車」がおすすめ
なるべくコストをかけず、傷をつけずに綺麗を維持していきたい方
ガソリンスタンドなどでお任せする「手洗い洗車」がおすすめ
洗車のコストはあまり気にならないが、なるべく傷をつけずに綺麗を維持していきたい方
自分で洗車をする自信はないが、細部の汚れが気になる方
こだわり派のあなたは!洗車専門店などでお任せする「手洗い洗車」がおすすめ
コーティングを既にしており、なるべく傷をつけず、細部まで綺麗を維持したい方はキーパーラボさん(キーパー直営)や百貨店などで営業する洗車専門店がおすすめ。ただし、洗車専門店はオプション(追加コーティングやケミカルの使用など)を勧めてくる場合がほとんどです。コーティング専門店のプロがオススメする最適なオーダーはあくまで「手洗いシャンプー洗車」です。良いコーティングをした場合は定期的に手洗いすれば綺麗が維持できますのであまり営業トークに乗らないようにしましょう。
ドライブスルー洗車機を利用する際の注意点
最後にドライブスルー洗車を利用する際の注意点を確認しておきましょう。
あくまで機械が洗車するのでオーナーの気持ちに寄り添った洗車は当然ながらしてくれません。破損につながるようなリスクは絶対に無くしましょう。
窓やドアは必ず閉める
洗車機に入る前に窓がきちんと閉まっているか、半ドアがないかを必ず確認しよう。受付ユニットのパネルでも操作の最中に注意喚起してくれますので良く読み指示に従いましょう。
また、パワースライドドア装着の車は注意が必要です。洗車中の誤作動により車内が水浸しになる事故が報告されているため、パワースライドドアのスイッチをOFFにすると安心です。
破損の危険のあるパーツは外すか格納する
思わぬ破損を防ぐため車のミラーをたたみ、アンテナは外したり格納しましょう。
最近の洗車機はセンサー機能が向上しており、パーツの破損リスクは減少してますが、あくまで機械ですので力の加減はできません。
eneosのドライブスルー洗車機ですとミラーやアンテナなどの格納、取り外しの注意喚起もしてくれますので指示に従って格納や取り外し可能な場合は洗車開始前に行いましょう。
洗車完了後は拭き上げスペースで必ず綺麗に拭きあげる
ドライブスルー洗車がおわったら、そのまま走り始めるのでなく、拭き上げスペースで必ず拭き上げるようにしましょう。
ほとんど乾いているからまあいっかと、この拭き上げを怠ってしまうとボディに残った水分により水シミになってしまいます。
夏場ですとお家に帰る頃には頑固な水シミとなりますのでせっかく洗車で綺麗にした車を維持するためにも拭き上げは頑張りましょう。
【まとめ】
本記事では「ドライブスルー洗車」をテーマに解説しました。要点をまとめておきます。
まずメリット。
❶手洗いに比べ圧倒的に短時間で洗車ができる
❷価格が手洗い洗車に比べて安い
つぎにデメリット。
❶洗車ブラシによってボディが傷つく場合がある
❷細かい部分の洗い残しの可能性がある
❸選択してはいけないコースがある
そのほかドライブスルー洗車機の使い方や料金、注意点まで幅広にお伝えしてきました。
メリット・デメリットどちらもありますが、しっかりとこの特徴を理解すれば自分がドライブスルー洗車をしても(したほうが)良いのか、しないほうが良いのか分かったと思います。
愛車を綺麗にするためには「洗車」は不可欠です。ぜひ自分に合った洗車スタイルを見つけてください。
またコーティングを施工した車であれば、そもそも汚れが傷つきにくくなりますので洗車の頻度も少なくできますし、洗車の際の手間(素早く汚れが落ちる、拭き上げも簡単)もグッと楽になります。
ポリッシュファクトリーでは、最新のコーティング情報や洗車情報を随時アップデートしお届けしております。良いカーライフをお送り頂くためその他の記事もご覧いただければ幸いです。
以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
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