車を購入した際、ディーラーから結構高いコーティングを勧められたけど、本当に必要なのかな。
ディーラーコーティングと専門店コーティングは結局どっちがよいんだろう。
車を購入した際、見積書をみると「コーティング」オプション代金がなんとなく入っていることはないでしょうか。
これがいわゆる「ディーラーコーティング」と呼ばれるもので、昨今では詳しい説明もなく当たり前のごとくディーラーでコーティングをしてしまっていたなんて声も聞こえてきます。しかも思ってたよりも高額。
納車の時点でコーティングをセットでお願いできるのは、魅力的といえますが、全ての方にとって「ディーラー」で施工するのが良いのでしょうか。そして「ディーラーコーティングは必要?」なのでしょうか。
結論からいえば、納車時にコーティングが終わっている状態がマストだ!という方以外は、ディーラーコーティングは絶対におすすめしません。
本記事では、なぜそうなのか、ディーラーコーティングと専門店コーティングの違いや、メリット・デメリットも踏まえて詳細にお伝えしていきたいと思います。
弊社ポリッシュファクトリーは車コーティング一筋30余年、新車中古車の施工台数は20,000台超という経験がございます。これまで頂いたお客様からの情報や、同業界における経験に基づく知識を踏まえ、分かる範囲で説明させていただきたいと思います。
ディーラーコーティングとは?
ディーラーでのコーティングは、2パターンあり①外部に委託もしくは②社内のコーティング部隊が施工することになります。
イメージは以下の通りです。
①:下請けのコーティング店に依頼して作業を依頼するケース
②:コーティング専門部隊を設けて施行するケースと整備士などが兼任でコーティング施工するケース
①なのか②なのかをメーカー別に正確に判定するのは困難であります。
また、知り合いからは「ディーラーコーティングだけはやめとけ」などと言われたことがあるのではないでしょうか。
その要因となる特徴を簡単にまとめましたので詳しくみていきましょう。
施工者が不透明
繰り返しになりますが、ディーラーでのコーティングは、
①外部に委託して施工
②社内のコーティング部隊が施工する
の2パターンあり、メーカーごと、ディーラーごとに異なるケースがあるので誰が施工しているか不透明です。
一部のディーラーでは、営業マンや整備士の方が兼任でコーティング施工することもあるようです。
当然ながら営業マンは車を売るプロ、整備士は車の整備・メンテナンスのプロであり、コーティングのプロではありません。
コーティングは正しい下地処理(研磨)、正しいコーティング施工によってのみ良い性能が発揮できますので仮に上記のような場合、コーティングの性能や効果を正しく出せるのか非常に不安定になります。
①の外部に委託の場合でも施工者のスキル・ノウハウが安定しているかというとそうではありません。
理由は後ほど説明しますが、外部の下請けのコーティング専門店での施工という場合も、実はざっくり磨いて、塗って終わりとなるケースが多いためです。
「ディーラーコーティング」は下地処理が下手?
まず、内製の場合、大変恐ろしい話ですが、基本的には磨きなどの下地処理をせずコーティングを塗って終了ということがあるようです(新車の場合)。
内製の場合磨かないでコーティングする場合もある
一方で、下請けのコーティング専門店での施工という場合も、塗装の状況に応じた適切な磨きはせずに、ざっくり磨いて塗って終わりとなるケースが多いです。
理由は、下請けとなるコーティング専門店の利益が非常に少ないためです。
実はディーラーオプションの金額のだいたい1割〜3割程度がコーティング専門店の取り分となり、残りの7〜9割がディーラーの売上になってしまいます。
残念ではありますが、これでは外注をうけたコーティング専門店も取り分に応じた仕事レベルになってしまうのではないでしょうか。
もちろん少ない取り分&限られた時間で一生懸命施工するお店は五万といますが、結局外注業者はわからないのでリスクは伴います。
結論、ディーラーコーティングの場合、誰がコーティングするかがわからない、ということが最大のリスクであると思われます。
値引きの対象に使われやすい
本体価格の値下げの代わりにディーラーコーティングを勧められたら要注意です!
よくあるケースとしては「値引きはできないけど10万円分のコーティングをサービスします」や「10万円のコーティングを追加で3万円お値引きします」といった形です。
このからくりを詳しく説明することは割愛しますが、ディーラーでのコーティングと専門店でのコーティングの性格は異なる場合が十分にあることを理解していただければと思います。
コーティング剤の性能が低い場合がある
コーティングにとって耐久性は非常に重要な要素
コーティングの液剤は、ディーラー毎に異なりますが、基本的には「完全無機質のガラスコーティング」や最新鋭の「セラミックコーティング」と呼ばれるものではなく、ポリマーをベースに、ガラス繊維が多少含まれている「ガラス系コーティング」がメインだと思います。
ガラス系コーティングは、施工がしやすいというメリットがありつつも、完全なガラスコーティングではないため、耐久性が劣る可能性があります。
また、メンテナンスパックをつけることで「耐久性」によるデメリットを解消しているディーラーさんも見受けられます。
ディーラーコーティングの一般的な耐久性:1~2年
コーティング専門店の一般的な耐久性 :3~6年
実際の耐久性は種類や各社の考え方で異なりますがコーティング種類については下記をご確認いただければ分かるかと思います。
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ディーラーのコーティングと専門店のコーティングの違い
次にディーラーコーティングと専門店コーティングの違いについて、3つの軸で評価しつつお伝えいたします。
ディーラー | 専門店 | |
質 | ||
金額 | ||
使い勝手の良さ | ||
備考 | 納車される際には、 | 誰もが納得できる コーティング体験を 期待したい、 質重視の方向け。 |
※金額は、星の数が多いほど良心的。
質①:専門店はコーティング剤のラインナップが豊富
当店もさまざまなコーティング種類を揃えています
カーディーラーのコーティングはポリマーをベースに、ガラス繊維が多少含まれている「ガラス系コーティング」が多いのに対し、専門店のコーティングは「完全無機質のガラスコーティング」や最新鋭の「セラミックコーティング」を扱っております。
特に昨今話題のいわゆる「セラミックコーティング」は従来のコーティングに比較し、ケミカル耐性、防汚性、撥水性等々、効果が高いものが多くなってきております。
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質②:専門店は施工環境・機材・照明が優れている
コーティング施工においては、以下のような点が非常に重要になってきます。
❶施工環境:完全密閉かつ湿度と温度をコントロールできる環境
❷機材:塗装に応じて選択できるポリッシャー&コンパウンド(研磨剤)の豊富さ
❸照明:傷やコーティングのムラを見るための照明
これについては圧倒的に専門店が優れていると思います。
専門店にもよりけりですが、これらにこだわっていないお店はあまりないと思います。
金額:実は金額はあまり変わらない?
専門店の方が高いと思いがちですが、実はディーラーコーティングも上位のものだと20〜30万円するケースもあり、専門店と遜色ない金額なのです。
また、コーティング剤の質、下地処理の質、施工者の質などを勘案すればディーラーコーティングに数十万円かけるのは一個人としてあまりおすすめできません。
使い勝手の良さ:利便性はディーラーコーティングに軍配!
使い勝手の良さは、ディーラーコーティングの最大のメリットかと思います。
待望の納車時には最高の状態で車がオーナーを出迎えてくれる、これはすごい嬉しいですよね。
専門店等でやる場合となると、納車したあとに専門店に持っていってコーティング施工という流れになるため、そんなの待ちきれない!という人はディーラーコーティングしかないと思います。
また、以下の記事ではかなりマニアックに詳細まで優良なコーティング専門店の見抜き方を解説してますのでご覧ください。
参考になる記事:車コーティングのおすすめ業者はコレだ!8つの条件クリアした究極の専門店
ディーラーコーティングと専門店コーティングのメリット・デメリット
カーディーラーコーティングのメリット・デメリット
メリット
・新車納車時にコーティングも完了している
・コーティングをつけると新車の値段が安くなるケースがある
デメリット
・誰がどこで施工されているのかわからない
・傷があっても磨かない場合がある
・金額は費用対効果でみると高い
・耐久性が低い
・メンテナンスは専用キットを使い自分で
ディーラーコーティングの最大のメリットは、新車納車時にコーティングも完了していることでしょう。
一方、デメリットは、下地処理(磨き)の質、担当者の施工技術の質、コーティングの質など、「質」に関する部分に不安が残る点だといえます。
専門店コーティングのメリット・デメリット
メリット
・セラミックコーティングをはじめとする最先端のコーティングを体感できる
・コーティングの基礎となる丁寧な下地処理をお願いできる
・安心の施工環境
・メンテナンスプランによるプロのアフターフォローを受けられる
デメリット
・なんとなく相談がしにくい
・店次第では数ヶ月先まで埋まっていて予約が取りにくい
コーティング専門店のメリットは、「質」です。なんでも良いからコーティングをしたいという方には向かないですが、費用に合った効果が実感できるコーティングをしたいという方は絶対に希望に合うコーティングがあると思います。
デメリットとしては、お店によっては希望の日程での予約がとりにくいという点です。新車ですと納期がわからないなどの状況もあるため、ネックになってくるかと思いますが、相談すれば丁寧に対応してくれると思います。
まとめ
以上、コーティング主体の1つである「ディーラーコーティング」について専門店との違いや、メリット・デメリット等を解説してきました。
購入時はウキウキしてついつい「コーティングもセットでいっか」なんて思ってしまう気持ちは私も一クルマ好きとして良く分かります。
ただ昨今の「ディーラーコーティング」も値段がかなり高くなってきているので、一度深呼吸をし、本記事を読んでからご自身にあったコーティングを選択いただければと思います。
本記事では割愛してますが、「ディーラーコーティング」と「専門店コーティング」の他に「キーパーコーティング」もございます。「ディーラーコーティングとキーパーどちらが良いの?」などお悩みの方は以下の記事も参考にしてみてください。
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