新車や中古車を購入後少しでも洗車を楽にしたりキレイな美観を維持するためにワックスやポリマーコーティングをお考えの方に「ポリマーコーティング」について詳しく分からないという方もおいでだと思います。
そこで本記事では、1987年創業、カーコーティング専業一筋30余年、新車中古車の施工台数は20,000台超という経験の東京の車コーティング専門店を営む及川が、これまで頂いたお客様からの情報や、同業界における経験に基づく知識を踏まえ、「ポリマーコーティングの特徴」や「ポリマーコーティングとガラスコーティングの違い」等について紹介させていただきます。
ポリマーコーティングとは
簡単にポリマーコーティング、ポリマー加工、などの説明をいたします。
ポリマーは、分子が繰り返し構造を持つ大きな分子のことを指します。簡単に言えば、小さな単位が繰り返し結合してできた長い鎖状の化合物です。
ポリマーは様々な材料や製品の製造に広く使われており、プラスチックやゴム、繊維などが代表的な例です。ポリマーは化学的な特性や物理的な性質を調整することができるため、様々な用途に利用されています。
コーティング業界でいうところのポリシラザン、シラン、シリコーンレジンなどはすべてポリマーの仲間であります。ポリマーコーティング自体は新しいものではなく何十年前から存在する物でありワックスより長持ちします。
ポリマーコーティングの特徴
ポリマーコーティングは、長い間使われてきたワックスに代わるコーティング剤として誕生しました。
天然カルナバロウや、天然または化合物オイルをベースとした物はワックスと呼ばれます、
一方、ポリマーコーティングは、フッ素やシリコンなどの高分子化合物で形成されたコーティング剤です。
簡単に定義付けるとワックスではなくガラスコーティングという名称ではないものはポリマーコーティングと言うものになります。
業界の方々に認識では「被膜が硬いものはガラスコーティング」であって、「被膜が柔らかいものはポリマーコーティング」として区別している方も多くおられます。
油分で表面を覆うだけのワックスに対し、ポリマーコーティングは化学結合を利用してボディに定着させるため、より耐久性に優れています。
ポリマー加工とは
「ポリマーコーティング」と「ポリマー加工」。どちらも1度は聞いたことのある言葉だと思います。
それではこの2つのワードの違いは分かりますでしょうか。
答えは「同義」です。
ポリマー加工とポリマーコーティングの語原的な部分でいいますと言葉として生まれたのが早いのは「ポリマー加工」でカービューティプロがポリマー加工、ダイワミナクルチェーンが「ポリマーシーク」という名称でコーティングを行っておりました。
現代では「ポリマー加工」「ポリマーシーク」という言葉は使われることがほぼなくなり「ポリマーコーティング」という名称に取って代わられました。
ポリマーをコーティングするという意味の総称としては同じですが言葉の発祥としてはポリマー加工の方が早くから使われました。
筆者及川はポリマー加工の方が実はしっくりきます。
ポリマーコーティングのメリットとデメリット
メリット
ポリマーコーティングは簡単に誰でも施工できる一方で耐久性が約数週間程度のワックスに対し、ポリマーコーティングは約3ヶ月ほどです。
防汚性もそこそこあり、ちょっとした擦り傷程度であれば、ポリマーコーティングを重ねることで見えにくくなる事も場合によってはあります。
デメリット
ポリマーコーティングは、成分的に、熱や紫外線に弱く、劣化しやすいといわれています。
そのため、紫外線や熱に弱く、コーティング効果が薄くなる恐れがあります。ひと雨でコーティング剤が流される心配はありませんが、可能であれば再塗布などの定期的なメンテナンスが必要となります。
また、被膜そのものはガラスコーティングにくらべて柔らかいため、ガラスコーティングのような傷抑止効果は期待できません。
低コストで気軽にコーティングしたい方はポリマーコーティングを選ばれる傾向です、更なる効果を得たい方は硬く熱にも強いガラスコーティングがおすすめです。
ポリマー コーティング | ガラス コーティング | |
耐久性 | 3~6ヶ月 | 2~3年 |
光沢感 | ○ | ◎ |
防汚性 | △ | ○ |
スリック感 | ◎ | ○ |
価格 | 5〜10万 | 10〜35万 |
※ポリマーコーティングは施工店の腕の違いが顕著にでるコーティングです。ポリマーコーティングを扱うお店や施行者により性能や金額は大なり小なり変わります。
ポリマーコーティングの効果や耐久性
ポリマーコーティングは比較的安価で出来るコーティングです。
耐久性は約3ー6ヶ月でボディの艶出しや撥水性に優れており、ガラス系などのコーティングと比べ低コストで施工ができます。
ここだけの話ですがポリマーコーティング効果や耐久性はとても腕の差が出る商品なのです。
詳しい事は企業秘密が流出してしまうのでお伝えできませんが、施行方法により見た目の美しさや、コーティング効果、汚れにくさ耐久性までもが変わります。しかも同じ液剤でも施行者に施行方法により変わるのですから、熟練の専門店の深く知っている方が良いという事になります。
ポリマーコーティングの価格
一般的な場合の価格はWAXよりも高くガラスコーティングよりも安いです。
施工店により価格も一概ではありませんが量販店系<ディーラー系<専門店の順になります。
ポリマーコーティングとガラスコーティングとの違い
1つ目はガラスコーティングとポリマーコーティングの大きな区分は硬化系であるガラスコーティングと硬化系では無いポリマーコーティングとなります。
WAXの定義は天然または化合物オイルをベースにしたもの
ポリマーコーティングはフッ素やシリコンなどの高分子化合物で形成されたコーティング剤
ガラスコーティングはポリマーコーティングの一種でありますが被膜の硬度や密着性などの各種物性が異なるものとして、緩やかに曖昧に分類されています。
ポリマーコーティングの施工方法や手順
まずは施工日程を選択します
1日もしくは2日間雨や風が強くなるときは避けましょう。
気温が高い日中も避ける事も大事です。施工後は24時間雨に当たらないようにしましょう。
施工する前にボディの洗車と細部洗浄
ポリマーコーティング作業は最低位でも半日から丸一日かかるため、曇の日の早朝から開始されることをおすすめします。
まずは、凹凸のあるグリルやTOYOTA等のメーカーロゴや車種のエンブレム周りの固着したよごれやエクステリアの外板パネルの隙間などの細部を洗浄します。
ドアヒンジなどの油汚れにはアルカリ系の洗剤もしくはパーツクリーナー(遅効性)を使用しキレイにしてください(のちにきしみが発生しないように施工後のグリスアップは必須です)
汚れが固着している部分は、細く柔らかく小さな筆に市販品のイオンデポジット除去剤など付けて落としてください。また、イオンデポジット除去剤はつけたままにせずに、汚れが取れたらすぐに洗浄をしてください。
基本的にシミや水垢除去イオンデポジット除去剤は酸性のクリーナーですので除去後は出来れば中和目的でPHの低いアルカリ洗剤での中和が好ましいです。
水垢や固着したよごれなどの細部洗浄が終わり次第今度はエクステリア全体の洗車を行います。
最初に砂塵や重い系の汚れを落とし、洗車用のスポンジまたはマイクロファイバークロス、洗車ミットで優しく洗い上げます。
洗車時は、中性もしくは弱アルカリ系のカーシャンプーをしっかりと泡立てて、できるだけ摩擦を防ぐことがポイントです。
鉄粉や水垢の除去
全体洗車後に今度は鉄粉や雨シミを除去作業が入ります。
鉄粉はザラザラが多く鉄粉の付着固着が多く感じる場合は市販の液体の鉄粉除去剤を使用してください、その後まだ残る鉄粉を感じる場合はトラップ粘土ではなく「クレイタオル」を使用して優しく残りの鉄粉を除去してください。
濃色車の場合(日産のソリッド黒、ホンダのソリッドカラー、トヨタの202ブラックなど)は鉄粉除去スプレーがおすすめです。
クレイクロスの使い方はとても簡単です。希釈濃度がとても薄いシャンプーを作りそれをボディ塗装面にかけてクレイタオルで優しく滑らせてください、軽微な鉄粉などの手で感じるザラッとした感触がなくなればおしまいです。
イオンデポジットやウォータースポットがある場合は専用のクリーナー除去剤を使用して除去してください。それでも落ちない場合はクレーターですので研磨作業が必要になります。
車磨きの経験がある方はそれらの道具を使用して磨いてクレーターを落としてください。
ワックスなどがかかっていて洗車時点で水ハジキが多い場合はこちらの製品商品名「爆ツヤ」を使っていただき撥水を除去してください、
使用後はさらに脱脂を含め中性もしくは弱アルカリシャンプーで洗車をしてください。
ポリマーコーティング前の脱脂作業
洗車後に今度は最期に油脂分を落とすために脱脂作業が必要になります。まだWAXのような水ハジキがある場合は海外製品のこちらのような製品をお使いになってみてください。
ポリマーコーティングの施工と乾燥
上記の洗車から下地処理が完了したらポリマーコーティング剤を塗布します。
コーティング剤の種類は、スプレータイプや乳液タイプをスポンジに付け塗り延ばすタイプなどさまざまですが、塗布の際は小さい範囲約50センチ四方で塗り方は縦横縦にしてむらなくチカラをいれすぎずなく塗りこんでください。
ボディ全体に塗り終わった後は、LED電灯などで照らしたりして塗り漏らし確認します。
製品の説明書通りの規程時間等参照して理解の上、表面が拭ける状態になったらWAXなどの拭き取りに最適なマイクロファイバークロスなどでコーティングを拭き上げます。
コーティング剤の初期乾燥中に水気に触れると性能が低下してしまうため、洗車は控えて、雨や露が避けられる場所で最低でも24時間保管してください。
ポリマーコーティング施工後のメンテナンス方法と注意点
ポリマーコーティング後の洗車方法
ポリマーコーティング施工後の洗車は、基本的には1週間後が最適です。
基本的に水洗いだけで問題ありません、さらにコーティング効果を長持ちさせたい場合は撥水シャンプーを使うと効果はさらに長持ちします。
水洗いでは落としきれない油汚れなどは、Amazonなどで販売されているポリマー加工用のカーシャンプーを使用してください。
当たり前ですが晴れた日の太陽光の下でのシャンプーは水が凄い勢いで乾燥するので絶対にNGです。また真夏の外気温が高いときは(35度などの高温時は時にNG)洗車はお控えください。
ポリマコーティングで注意すべき事
洗車をする際は直射日光を避け、早朝、夕方、曇りの日など、太陽光が直接当たらない環境下で作業を行うことをおすすめします。
通常の水道水には塩素(カルキ)やカルシウムなどが含まれており、水滴を長時間直射日光で蒸発すると、カルキなどの成分が固着します。この汚れはイオンデポジットと呼ばれ、白く焼き付くと簡単には落とせなくなります。ウォータースポットも付着すると取れにくくなるので注意が必要です。
施工に関しては経験が無い方や自信のない方は専門店等に施工依頼をされてください。
DIYで行われる方も自己責任で行われてください。
ポリマーコーティングをされた方の口コミ
ポリマーコーティングの評判・口コミ
ポリマーコーティングを施工した方々の実際の評判や口コミを見ていきたいと思います。
2GCのコーティングは、純正のイノベクションを施工してます。
これまでは、ずっとプロショップにお願いしてましたが、
ディーラーにコーティング施工専門のセクションができたことと、
納車後に車を預けるのが面倒で、今回はディーラーに依頼しました。
納車から5ヵ月経過して、撥水効果が落ちてきましたので、
引用元:みんカラ
コーティングかけてもらったけど
一雨で水を弾かなくなる
こんなものなんかなー
引用元:みんカラ
ENEOSに勤めてる友人に勧められて、そこから3ヶ月毎に施行してもらってます。割と安価で時間もそこまで掛からないので、コーティングに少しでも興味がある方はオススメです。艶マシマシで数ヶ月撥水続きました。
引用元:みんカラ
今回ボディカラーとして黒を選んだので、小キズ対策が気になります。
BMWは自己修復型ペイントを採用しているので、
この機能を活かす為には、保護層に柔軟性のある
純正イノベクションコートが合っているかも・・・と選択。
施工から4ヶ月経過したので、感想を。
引用元:みんカラ
評価は色々ですが車種、乗られる環境、使い方などで変わるようです。満足度もそれぞれ変わりますが、その方に合ったコーティングを捜して満足していただけるのが1番よい方法ではないでしょうか。
まとめ:ポリッシュファクトリーの及川が考えるポリマーコーティング
ポリマーコーティングは洗車とかメンテナンスがお好きで出来る方にはおすすめできるコーティングです。
量販店やコーティング専門店で施工後にまめに洗車やメンテナンスポリマーを行ったり補充が出来る人には最適なコーティングと言えます。
3ヶ月に1度程度で自分でポリマーコーティングのメンテナンスが出来る人は至福の艶感と手触りが半永久的に維持出来る事も可能です。
反面自分でメンテナンスが出来ず、洗車さえ出来ない環境の人はガラスコーティングやセラミックコーティングが向いています。
また専門店でもポリマーコーティングの熟練のお店ではガラスコーティング以上の防汚性、光沢の維持を実際に行っているお店も有ります。
施工店の技術レベルや経験値により性能が大きく変わるコーティング これが 「ポリマーコーティング」です。