洗車するごとに車に雨シミや水シミ、水垢で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
雨が降った後に車のボディが濡れたままの状態でいると、雨シミが付着しやすくなります。程度が軽いうちであれば洗車でも比較的容易に取り除けますが、放置するとやがて簡単には落とせなくなります。
雨によるシミが車の塗装や外観に与える影響、雨シミがどのようにして発生するのか、その原因について知りたい、既にできてしまった雨シミを効果的に除去する方法や、使用する製品、雨シミができるのを防ぐための予防策や対策について解説します。
本記事では、「雨シミがボディに与える影響」や「雨シミが付着する要因とは」「雨シミを取り除く方法」、などを、1987年創業「車のコーティング専門店ポリッシュファクトリー」の及川が解説します。
雨シミが付着する要因
雨シミが付着するする要因は大きく分けると下記4つになります。具体的に見てみましょう。
酸性雨や黄砂花粉:
- 工業排水や車の排気ガスに含まれる化学物質が雨水に溶け込み、酸性雨となります。酸性雨が車の塗装に付着すると、化学反応を起こしシミになります。
- 雨後の地上に届くまでの間に取り込んだ花粉や黄砂雨水に含まれるカルシウムや塩素などのミネラル成分は、水分蒸発後に「イオンデポジット」になる可能性があります。
ミネラルや不純物:
- 雨水に含まれるミネラル(カルシウム、マグネシウムなど)や不純物が乾燥後に残り、シミとして付着します。
- 洗車に井戸水を使っているとイオンデポジットができやすくなります。たとえ洗車後に水分を拭き上げたとしても、水滴が乾くとシミになってしまいます。
汚れの堆積:
- 車の表面に汚れが残っていると、雨水がその汚れを溶かし再分布させることによりシミが発生します。特に黄砂花粉の多い時期など汚れの体積がひどい時期です。
- 炎天下での洗車:
- 炎天下で洗車も雨シミが付着してしまいます。炎天下で洗車の際、水道水が乾くことで、水道水に含まれるミネラルやカルキ、塩素などの成分が塗装面に残留し雨シミを固着させてしまします。
雨シミ・水シミを取り除く方法
軽度のものから重症度の高い雨シミまでシミはありますがそれらの取り方には大きく5種類あります。下記に方法別にまとめました。
専用クリーナー:
- ウォータースポットリムーバー: 市販のウォータースポットリムーバーを使用し、雨シミを化学的に溶かして除去します。使用方法は製品の指示に従います。
- 酸性クリーナー: 酸性クリーナーは、ミネラルデポジットを効果的に溶かすことができます。ただし、使用時には塗装を傷めないよう注意が必要です。※目立ちにくい部分で試して異常がないか注視して始めましょう。異常があれば即中止しましょう。
クレイバー(粘土バー):
- クレイタオルを使って塗装表面を滑らせることで、シミや付着物を物理的に除去します。
- クレイバーキット: 専用の潤滑スプレーと粘土バーを使って、塗装面を滑らせながらシミや付着物を除去します。クレイバーは塗装面にやさしく、細かい汚れを取り除くのに効果的です。(濃色車は小傷がつきやすいので注意が必要です施工に自信のない人は業者にお願いしましょう)
ポリッシュ(研磨剤):
- 超微粒子の研磨剤を使ってシミを磨き落とします。ただし、これは塗装に軽度のダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。
- 軽度の研磨剤: 軽度の研磨剤を使って、シミを磨き落とします。ポリッシャーを使用すると、均一に磨くことができますが、手作業でも行えます。注意して使用しないと塗装を傷めることがあるので、使用方法に注意してください。
自動車用洗剤とスポンジ:
- 自動車用シャンプー: 雨シミが軽度の場合、自動車用シャンプーとスポンジで丁寧に洗車するだけで落ちることもあります。洗車後はしっかりと拭き取ります。
- プロのディテーリングサービス:
- 難しいシミや広範囲のシミや深いシミの場合、専門のディテーリング業者に依頼するのが最も確実で安全です。
雨シミの付着を防ぐポイント
定期的な洗車:
- 定期的に洗車を行い、車の表面に汚れやミネラルが残らないよう蓄積しないようにします。洗車後はしっかりと拭き取ることが重要です。可能であれば純水装置をつけての洗車がおすすめです。
コーティング:
- セラミックコーティングやガラスコーティング: これらのコーティングは、塗装面に保護膜を形成し、シミや汚れの付着を防ぎます。耐久性も高く、定期的に再施工することで効果を持続させます。
ワックス:
- 定期的にワックスを塗ることで、塗装面に保護層を形成し、汚れや水分が直接塗装に触れにくくなり水や汚れの付着を防ぎます。ワックスの種類や頻度は、使用する製品の指示に従いましょう。
ボディカバーを使用:
- 長時間駐車する際には、車カバーを使用して雨や汚れから車を守ります。特に屋外駐車の場合に効果的です。ボディカバーの選択は裏地にネルを使用しているものを推奨します。
駐車場所の選択:
- できるだけ屋内駐車場やカーポートなど、雨風に直接晒されない場所に駐車するように心がけましょう。
まとめ
車の雨シミが付着するのにはいくつかの原因が考えられます。
一旦付着してしまった雨シミに対しては、その汚れの種類や程度により適切なやり方で取り除くことが大切です。
雨シミは塗装面に固着すると洗車では取れないほどの頑固なシミ汚れとなります。そのため、雨シミを日頃から予防することが大切です。
雨シミの予防と対策
- 雨に濡れたら定期的に洗う
- 洗車時の水分を乾かさないようにしてきちんと拭きあげる
- 井戸水は使用しないのがおすすめ
- 雨シミや汚れの付着を発見したら早めの対策をする
- 黄砂花粉の時期は堆積させず早めに洗車する
この5つを行うことで雨シミの付着を軽減ことが可能となります。コーティング施工済みの方においてはコート被膜の良い状態をキープすることで綺麗を維持する事が可能となります。