洗車とコーティングに役立つ知識

洗車に井戸水は使用して良いのか、水垢や水シミができるのか?

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井戸水は洗車に適しているのか?水質の影響はないのか?

井戸水を使った洗車のメリットデメリットは何?井戸水を使って洗車する際に注意すべき点や、水垢や水シミを防ぐ方法について知りたいと思われている方も多いのではないでしょうか?

本記事では洗車に「井戸水を使用するとどうなるのか」「洗車には適しているのか?」「井戸水を使って洗車をする際には何に注意すれば良いのか」「井戸水の影響を軽減するためがどうしたら良いのか」について、1987年創業、カーコーティング専業一筋30余年、新車中古車の施工台数は20,000台超という経験の東京の車コーティング専門店を営む現役施行者である及川が解説いたします。

井戸水は絶対に洗車に使わないでください

一般的に洗車時使用するのは水道水だと思われますが、井戸を掘っている家でも井戸水は洗車に使ってはいけません。理由は以下本文でご説明いたします。

井戸水の洗車はクルマを傷める

井戸水には、水道水よりもカルシウムや鉄分などのミネラル成分などが多く含まれています。乾くと水分に含まれるミネラルが白く固まり、イオンデポジットというシミの原因になります。

白い輪郭などのイオンデポジットは放置するとやがてボディ自体にダメージが及びます。陥没した水シミは研磨以外に除去方法がなく、シミの輪郭の高低差がひどくなると研磨でも取れなくなってしまいます。

やむを得ず井戸水で洗車する場合は、とにかく早く拭き上げる!、ボディに水滴を残さないこと!を意識して素早く行いましょう。基本的には井戸水洗車はおすすめしません

井戸水と水道水の違い

水道水での洗車でも拭き取り不足で水滴が残ると水シミになります。

井戸水でもさらに強いシミになるのですがその井戸水にも種類がある事をご存じでしょうか?

大きく分けると井戸水には2種類あります。

井戸水の「深井戸」と「浅井戸」にはいくつかの違いがあります。主に掘削の深さや水質、用途に違いがあります。

深井戸

  1. 掘削の深さ: 深井戸は通常、数十メートルから数百メートルの深さまで掘削されます。
  2. 水質: 深井戸の水は地下深くから汲み上げられるため、地表の汚染物質からの影響が少なく、比較的きれいな水が得られます。ただし、鉱物質や金属成分が多く含まれることがあります。
  3. 安定供給: 深井戸は地下水脈からの水を汲み上げるため、季節や天候の影響を受けにくく、安定した水供給が可能です。
  4. 用途: 深井戸の水は、主に飲料水や生活用水、農業用水、工業用水など、広範囲に利用されます。

浅井戸

  1. 掘削の深さ: 浅井戸は通常、数メートルから数十メートル程度の深さまで掘削されます。
  2. 水質: 浅井戸の水は地表近くから汲み上げられるため、地表の汚染物質や農薬、化学物質の影響を受けやすいです。したがって、飲料水として利用する際には水質検査や浄化が必要です。
  3. 供給の安定性: 浅井戸は地表近くの水を利用するため、季節や天候の影響を受けやすく、水量が変動することがあります。
  4. 用途: 浅井戸の水は、主に農業用水や庭の散水、灌漑用水として利用されることが多いです。

基本的に井戸水は汲み上げた後ろ過処理することは一般的にはありません。どうしても洗車に使わなくてはいけなくなった場合は深井戸の方がおすすめです。

井戸水と水道水のコストの違い

井戸水は地下水をくみ上げたもので水代かはかかりませんが汲み上げポンプがある場合は電気代がかかります。

一方で水道水は水代がかかります。基本料金と使った分だけかかる従量料金がかかりますし下水道料金がかかります。上水と下水で1ヶ月で単身世帯は2116円、2人世帯は4229円、3人世帯は5500円、4人世帯は6196円、5人世帯は7128円といわれています。

当然ですが水道料金の方が井戸水よりも料金は高くなります。

クルマの塗装面に井戸水のシミが出来た場合

クルマの塗装面に井戸水洗車のシミが出来た場合はできるだけ早めの対処がおすすめです。

長く固着しておけば奥ほど堆積物の固着度が上がり取れにくくなるからです。ケミカルや溶剤で落とせるうちは良いのですが、井戸水洗車を繰り返して付いてしまった繰り返し固着は取れにくく、場合によっては研磨剤で研磨しないと落とせなくなります。

井戸水洗車で付いたシミは出来るだけ早く落としていただける事が1番良い事です。

井戸水でついたシミの落とし方

・まず洗車を行ってください
塗装面についた砂埃や汚染物をきれいに洗い流してください。

・デポジット除去剤を使う
部分的に目立たない場所でデポジット除去剤を乾燥したマイクロファイバークロスに適量つけて、シミの部位にやさしく塗り広げてください。多く塗布しても少なく塗布してもその面にきちんと塗ることが出来れば性能は発揮出来ます。

軽く塗り込んでいただき(ゴシゴシ擦ってはいけません)15〜30秒程度置いていただきます。

そして水に濡らして軽く絞ったマイクロファイバークロスで塗装面を拭き上げてデポジット除去剤を取り去る感覚で拭き上げて乾燥させてシミが取れていればそれで終わりです。

もしも取れていない場合は同じ事を再度繰り返してみます。それでも取れない場合は使用を中止して下さい。

慣れていくとデポジットが取れた感覚が(ザラザラが滑る感覚になります)手に伝わってきます。それを繰り返すことで一面のデポジットが取れていきます。ゴシゴシ擦ることは絶対におやめ下さい。

・一番最後にはシャンプー洗車を行うことでデポジット除去剤の酸性ケミカル成分を流すことが出来ますので安心です。

クルマの窓ガラスに井戸水のシミが出来た場合

クルマのガラス面にも上記で説明した塗装面にできたようなシミが付着します。シミが何度も固着して研磨しても残るようなシミに成長したりもします。

さらに酷くなると視界を妨げるほどの白濁が起きて見えにくくなることもあります。本来は透明なガラスですが、デポジットにより透明度が失われて運転に差し支えがでる場合もあります。

対処方法は 
まずガラス面の汚れをキレイにすることから始めてください。大きく汚れている場合は洗車が必要ですが、それほどでもない場合はガラス面を滴らない程度の水分を含んだマイクロファイバークロスで汚れをとり、濯いだクロスで拭き上げてください。

砂塵とかの硬い汚れが付いたままですとガラス面に傷をつけてしまうので注意してください。ガラス用研磨剤はあまり器用でな方は一般的に販売している「キイロビン」というガラス用油膜除去剤をしようしてください。

使い方は
ガラス用研磨剤を研磨剤に付属のスポンジに適量つけて縦横縦という風にむらなく研磨剤を使い磨いてください。ガラスの場合は極端なゴシゴシでなければガラス面に傷がつくことは滅多にありません。

ガラス面の研磨が終わりクロスで拭き上げてシミが除去出来ていればキレイな堅絞りのマイクロファイバークロスで拭き仕上げてください。

シミが残っている場合は
磨きを何度か行って落としてみてください。さらに研磨剤をグレードアップして使用してみたい方はプロ用に販売されているものでチャンレンジされてみるのも良いかもしれません。

ドアミラーのブルーミラーなどは研磨剤は使用出来ません。基本的にはドアミラーは研磨剤は使用しないでください。

まとめ

井戸水にはミネラル分が沢山含まれているためシミが付着固着しやすくなります。

細かな砂礫が含まれている可能性もあるので塗装面に傷がつく可能性もあります。

世界中で水源がドンドン減少していることや、水が足らなくても待っている地域などもあるため井戸水を使っても良い方や細かなことは気にせずササッと洗車が出来ればそれで良いと言う方は井戸水での洗車も問題ないかもしれません。

クルマを大事にされている方やボディコーティングなどをされている方は絶対に井戸水は使用されず水道水もしくは純水をお使いになった方が良いと思います。

万が一井戸水の洗車でシミがついてしまった場合は本記事内の「井戸水でついたシミの落とし方」を参照されて対処されてみては如何でしょうか。

すでに出来てしまったシミに対してデポジット除去剤では落としきれない場合はプロの磨き施工店にお願いされてみるのも良いでしょう。

愛車をキレイに保つために洗車は水道水を使用されると良いでしょう。

 

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及川勝一

車コーティング専門店『ポリッシュファクトリー』で、施工歴37年。

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