洗車を行う際に、一般的にはみなさま市販のカーシャンプーを使用されることがほとんどだと思います。
本記事を読まれている方は、何らかの理由で今車を洗うための専用カーシャンプーを持っておらず、食器用洗剤をカーシャンプーの代わりに使おうもしくは使っても大丈夫なのか考えているのではないでしょうか。
食器用洗剤はスーパーやコンビニどこでも手軽に、しかも安く手に入れることができます。カーシャンプーと比較すれば安いので代用できるなら食器用洗剤でも良いかなと思う気持ちもわかります。
しかし、食器用洗剤は「食器を洗うため」に開発されているものというのが大前提です。
本記事では、「食器用洗剤で洗車をしても良いのか」や「車への安全性」や「カーシャンプーとの違い」などを、1987年創業「車のコーティング専門店ポリッシュファクトリー」の及川が解説します。
食器用洗剤で洗車は絶対ダメ!中性だから大丈夫は真っ赤な嘘
台所用洗剤・食器用洗剤は中性でカーシャンプーと同じだから洗車に使っても大丈夫と聞いたことはありませんか?
これは真っ赤な嘘で台所用洗剤を洗車に使うのは絶対NGです!
台所用洗剤を車に使い続けていると近い将来車がかなり傷んできます。
確実にボディが痛む行為なので同じ中性だから大丈夫と安易に考えるのはやめましょう。
例えば、車には錆びてはいけない部分がたくさんあります。そのたね洗車に使うカーシャンプーには防錆剤が錆から守るために入っています。
一方、食器用洗剤は食器を洗うものなので錆から守ることは目的としておらずむしろ油汚れの除去を主の目的としています。
これらの違いから台所用洗剤を洗車に使っていると必ず愛車が錆てきます。詳しく解説していきますが、もし食器用洗剤を良かれと使っている方はいますぐ中止することをお勧めします。
食器用洗剤とカーシャンプーの違い
台所用洗剤もカーシャンプーも洗剤の主な成分は界面活性剤です。
界面活性剤は、面に作用して、性質を変化させる物質の総称です。構造としては、1つの分子の中に、水になじみやすい「親水性」と、油になじみやすい「親油性」の2つの部分を持っており、この構造が、水と油のように本来混じり合わないものを、混ぜ合わせるのに役に立ち、汚れを落とす洗浄の働きをするとされています。
そして界面活性剤は以下のような作用があります。
乳化作用: 油と水のように混ざりにくい液体を混ぜて均一な混合物にし、油汚れを浮かします
浸透作用: 水に界面活性剤を入れると界面張力が下がり、繊維の表面と水がなじみやすくなるため、繊維の中に水が簡単に入っていきます。
分散作用: 固体粒子を液体中に均一に分散させる働きがあり、これにより汚れを引き離します
また、液性はpHという数値で表わします。 0~14の数値で表され、pH7を中性とし、7より小さい場合は酸性、大きい場合はアルカリ性となります。
台所用洗剤=中性だから安心という何となくの理由で車に使っても大丈夫であろうと考える人が多いように感じます。
主な成分が界面活性剤であり、台所用洗剤もカーシャンプーも中性(アルカリ性のものもあります)のものであれば効果は同じと思いがちですがそれが大きな間違いですので誤解しないようにしましょう。
洗車に食器用洗剤を使っていけない理由
ボディが痛む
台所用洗剤は油分を落とす能力が高いのでボディが痛む要因になります。
繰り返し使用することで気づいた時にはボディの細部がかなり傷んでいたとならないように気をつけましょう。
ボディが錆びる
食器用洗剤には防錆剤という錆びないようにするものが入っていないので錆を誘発します。
カーシャンプーと名前が付いているものには「防錆剤」が入っているので安心してボディ全体の洗車に使用ができます。
シャンプーの成分は水で流したつもりでも完全には流しきれていないことが多く、洗剤が微量でも残っているところからサビが生まれますので注意です。
カーシャンプーも注意が必要!
食器用洗剤で洗車するのはNGですが、カーシャンプーも実は注意が必要です。
注意するのはシャンプーを使ったあとすすぎが甘かったような場合です。
洗剤の成分がボディに残り、その後に雨が降ったような際は微量の洗剤成分が流れ出て水垢の要因になります。
泡が消えたら大丈夫と思わずパネルとパネルの間などは泡がなくなっても少し長めにすすぐことを意識しましょう。
カーシャンプーは安全な商品ですが、しっかりとすすぎがされる前提でつくられています。残置させないように注意です。
万が一食器用洗剤で洗車する際の注意点
本記事では、食器用洗剤で洗車するのは絶対NGとお伝えしてきました。
しかしながら、洗車の緊急性があり食器用洗剤しか手元にない場合や、食器用洗剤しか買えないなどさまざまなご事情はあると思います。
何度も申し上げますが、おすすめはしてません。ですが万が一台所用洗剤でする場合の注意点を記載します。
食器用洗剤は洗浄力がとにかく強いので、絶対に水で希釈して使ってください。
バケツに水を七・八分目まで入れ、食器用洗剤は数滴までにしましょう。
またドアの内側(ヒンジ)やタイヤ、樹脂パーツやゴム部分も食器用洗剤で洗う場合は避けるようにしましょう。
ボディをコーティングあるいはワックスもがけしている場合は落としてしまう可能性があるので食器用洗剤での洗車はやめ、カーシャンプーがなければ水洗いにしましょう。
また、洗車はシャンプー成分をきちんと落とすことが大切ですのですすぎをしっかり行いましょう。
食器用洗剤はカーシャンプーと比較すると泡切れが悪いので注意です。
また食器用洗剤で洗車洗車する場合は、最低限中性洗剤を選びましょう。
アルカリ性の食器用洗剤もあり、これらはさらにNGです。購入する際、ご使用の際は特に気をつけて下さい。
まとめ
本記事では、「食器用洗剤での洗車」について解説してきました。以下改めて伝えたいメッセージをまとめておきます。
まず本記事で一番お伝えしたことは、台所用洗剤を洗車に使うのはNGです。
情報が溢れており、「食器用洗剤で洗車してもOK」「むしろコスパも良い」など書かれていますが、車を大事にしたい方はNGと覚えてください。
洗車に食器用洗剤を使っていけない理由
①ボディが痛む
②ボディが錆びる
③カーシャンプーも注意が必要
最後になりますが、カーシャンプーを使っていればOKではなくしっかりとすすぐことが大切です。
コーティングをしているような場合であまり汚れていないときにはシャンプーを使わず水洗いでも十分ですので、水洗いでの洗車もマスターしましょう。