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マイクロファイバークロスを使った洗車のメリットや手順を解説

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クルマの洗車をする場合、洗車する道具としてはスポンジを使った洗車が良いのか、マイクロファイバークロスを使った洗車が良いのか知りたい方は多いかもしれません。

どちらを使った洗車も間違いではありません。

本記事では、1987年創業、カーコーティング専業一筋30余年、新車中古車の施工台数は20,000台超という経験の東京の車コーティング専門店を営む現役施工者である及川が、これまで頂いたお客様からの情報や、同業界における経験に基づく知識を踏まえ、「マイクロファイバーを使った洗車は良いのか?」「マイクロファイバークロス洗車の道具の選び方」について解説させていただきます。

マイクロファイバークロスで洗車は出来る?

結論:出来ます。

もちろん出来ますし、悪いことではありません。

むしろ慣れてくるとスポンジ洗車よりも細部が洗えるので良いかもしれません。

ただし指圧が高すぎると濃色車の場合は傷になる場合がありますのである程度慣れが必要です。

マイクロファイバークロスとは?

マイクロファイバークロスの材質

ほとんどの製品にある材質表記タグ。

ポリエステル80% ポリアミド20%などの表記があります(製品によっては洗車で傷がつくのでタグを外して販売しているものもあります)

この表記でポリエステル80% ポリアミド20%これがわりと丈夫でポリエステル70% ポリアミド30%なるとソフトに感じるとか、表面構造を変えてふんわりとさせて肌触りをよくする加工など様々です。

洗車の拭き取りの際は滑りが良く吸水力が良いものが推奨です。材質はとても大事ですが、使用感がとても大事ですので購入の際は口コミなどを参照されて滑りが良く吸水力が高いものをお選び下さい。

マイクロファイバークロスの大きさ

一昔前の使いやすいサイズは40×40センチでした。

拭いては絞り拭いては絞る・・・これの連続が以前の洗車で良く使われていたマイクロファイバークロスの使い方でした。

現在は大判のマイクロファイバータオルが主流で手の圧力を加えずに塗装面の上にタオルをしいて手前に引くもしくは吸い取るいったスタイルが主流です。

大きさが90×70センチクラスになりますと1枚で車1台は簡単に吸水できます。ドアの内側などは拭けませんので以前まで使用している40×40センチクラスのマイクロファイバークロスで吸水するかエアーブロアーで吹き飛ばします。

マイクロファイバークロスの高い吸水力

昔の洗車で水滴の拭き取りは昭和の時代はいわゆる「てぬぐい」、そうです綿タオルが主流でした。編み方を丈夫に作り吸水力なども高めた綿タオルで有名な会社もありました。

その当時タイルについて人気があったのは「ユニセーム」「プラセーヌ」などの化学合成のスポンジ的なクロスでした。プラセーヌは吸水力は高いものの、塗装面やウインドウガラスに対して滑りがめちゃくちゃ悪く、いわゆる「タタキ拭き」で水滴の上にクロスをのせて叩いて吸水させるというまったくもって効率の悪い洗車でした。一方ユニセームは滑るスポンジクロスでしたので洗車マニアからは人気の商品でした。これまた欠点があり、吸水力がめちゃくちゃ悪くすぐに水滴であふれてしまうのが欠点でユニセームを重ねて使う事が良いこととされておりました。

マイクロファイバークロスは洗車後の吸水クロスの「救世主」のような存在で、ガソリンスタンド、洗車専門店、ハウスクリーニング、病院、ペット業界などな吸水力が問われる業種にはまさしく目から鱗のような吸水力で、作業者の寿命が何年も延びたと言っても過言ではありません。

そのぐらい吸水力が高いクロス、それがマイクロファイバークロスです。

マイクロファイバークロスを洗車に使うメリット

洗車スポンジよりも細部が洗える

洗車スポンジとの一番おおきな違いは「隅を洗うとき」にスポンジが入らない部分にマイクロファイバークロスは入りますので隅々まで洗えます。

汚れをかきとる性能が高い

マイクロファイバークロスが日本に出てきた頃の使用用途は人間洗顔、特に小鼻とかの毛穴つまりに良いとかでマイクロファイバークロスで洗顔をすると黒ずみが取れるというのでデパートなどの催し物でノベルティに使われて喜ばれていたようです。

その後お掃除業界全般にドンドン広まりビルメンテ、ハウスメンテ、車の美装業者などに瞬く間に広がりました。つまり汚れをかきとる能力が高いのですが傷つけにくいというのがバカウケで飛ぶように売れるようになりました。

当初は米国オーダーで中国生産のメイドインチャイナが多かったのですが、製品の性能が低く、製品の全ての能力が高い韓国製に注目され高品位な商品=メイドインコレアという事になりまして現在に至ります。

私の記憶では最初作られた国はイギリス。イギリスが発祥の国と記憶しています。

塗装面に傷がつきにくい

構造的に細かな毛先、繊維表面の目に見えない凹凸の間にある、細かな隙間。 この隙間が水分に触れたとき、毛細管現象を起こして水を吸い上げます。

普通の繊維の数倍細かい毛先で吸水力を高めているので拭いた際の傷は非常につきにくいです。ですが油断は禁物で、1点に圧力をかけるような拭き方は塗装面に微細な傷をつけますので注意が必要です。

マイクロファイバークロス洗車の使い方

自宅で流水洗車が出来る方は水を流しながらの流水洗車が一番おすすめです。塗装面とマイクロファイバークロスの間に流水を入れて洗うのが1番良い洗車方法です。洗車用の散水ノズルを左手で持ち右手でマイクロファイバークロスを持ち左右の手を同時に動かす方法です。

こうすると水膜の上をマイクロファイバークロスが一緒に通るので塗装面に傷をつけるリスクが最小限になります。

水をかけてその上をマイクロファイバークロスでなぞるのは昭和の洗車方法ですので傷がつく可能性が有りますのでご注意ください。

マイクロファイバークロスを使う際の注意点

・強く擦らない
塗装面に指圧がかかるような圧力をかけないでください。マイクロファイバークロスと塗装面の間に異物が入っていたりしますと傷が付く事がありますのでご注意ください。

・柔軟剤を使った洗濯はしない
吸水を行って洗車が終わり洗う際は柔軟剤を使わず洗剤だけの選択にしてください。柔軟剤を使う事により本来の吸水力が失われることが有ります。

・地面に落としたら使わない
誤って地面などに落とした場合は使用を中止して洗濯してください。流水だけで洗っても砂塵などが残っている場合があります。

・乾燥後硬くなってきたら使わない
何度か使用しているうちに乾いたあとに硬く感じるときが来たら寿命です。新しいものに交換して使用してください。

まとめ

旧来はほとんどの方がスポンジで泡泡洗車の方か手ぬぐいで流水洗車その後グラスターゾルで拭き上げてちょっとツルツル感を満足されていた方が多いかと思います。

令和の時代はスポンジ洗車かマイクロファイバークロス洗車が主流になり2派に分かれている感じでしょうか。もちろんどちらも悪くないのですが効率がよいのは(細部まで丁寧に洗えるという点)マイクロファイバークロス洗車に軍配が上がります。

また最近ではマイクロファイバークロスではなく「マイクロファイバーミット」というのが出てきておりそちらで洗車する方も増えております。

ミット洗車についても近日中に解説させていただきます。

この記事を読まれた方は車を大事にされる方だと思います、今後ともお大事になさって下さいませ♡

 

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及川勝一

車コーティング専門店『ポリッシュファクトリー』で、施工歴37年。

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