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雨は洗車代わりになるのか?洗車のプロが徹底考察!

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車の洗車をした後にふとボディをみると、丁寧に拭上げしたはずなのに、拭き残しによってできた水滴跡や水シミのようなものが気になったことはありませんか。

一方、雨の日にクルマを翌日見ると結構キレイになっていることや、しばらく洗車をしてなかったときに突然のゲリラ豪雨のあと雨が上がり乾いたあとに見ると「結構キレイになるのね!」と思われたことはないでしょうか。

であれば、わざわざ洗車を晴れている日に行う必要なんてあるのか?そもそも洗車は雨に日にやれば良いのではと思う方も多いと思います。

本記事では、「雨は洗車代わりになるのか?」や「雨を洗車代わりにするメリットデメリット」、などを、1987年創業「車のコーティング専門店ポリッシュファクトリー」の及川が解説します。

雨水で洗車をしている人はいるのか?

当社のお客さまで雨の中で洗車をされて満足されている方は多くはないですが、少なからずおられまして満足されております。

雨の中の洗車はどんな方法?

天気予報とにらめっこして夕方からまぁまぁ雨の量が多く降る、そして明朝明け方には晴れると踏んだ場合は

①夕方カッパを着て雨中に洗車用のマイクロファイバークロスで引きずらない程度の力で右から左と一直線にタオルで撫でます。それを繰り返して行くのですが決してゴシゴシすることはせず滑らせていく感じです。

それを全体行います(あまりにもタオルが汚れた場合は雨水をためたバケツで濯ぎます)

これでおしまいです、その間は雨がずっと降り続けています。この間霧雨では役に立たないので、それなりの降水量の雨の中が良いそうです。

水滴ののこりが気になる方は翌朝雨が上がった段階で水滴を大判のマイクロファイバークロスで拭き上げたら完了です。

気になる雨の成分とは?

水には軟水と硬水があるのをご存じですか?

一般的には、雨水は軟水とされています。

雨水は大気中の水蒸気が凝結してできるため、多くは水分で、硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分は含まれていません。そのため、雨水は軟水として扱われ、洗車などに使用する際には水アカやシミの発生が少ないとされています。

ただし、大気中の微粒子や汚染物質が含まれていることがありますので、浄化が必要な場合もあります。しばらく雨が降らない時期が長く久しぶりの雨の降り出しですぐに雨が上がった場合の雨水などは大気中の汚れを振るに掴んでいるため危険ですので行わないでください。

東京の水道水は軟水?

東京の水道水は、比較的硬水に分類されます。東京都心部の水道水は、主に河川水やダムからの取水が中心であり、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれています。

そのため、硬度が高く、硬水として分類されます。ただし、地域によって水質が異なる場合がありますので、詳細な水質情報は各地の水道局や自治体のウェブサイトなどで確認することがおすすめです。

水の硬度が1リットルあたり120ミリグラムを超えるものを硬水、60ミリグラムより少ないものを軟水としています。

東京の水道水の硬度(東京都水道局データー)

その地域の水道水を確かめて硬度の高い水道水の場合は「純水器」の使用をおすすめします。純水洗車を行うことによりシミを減らしたりキレイを維持しやすい洗車が出来ます。

詳しい東京都の硬度データーははこちらで可視化できます。東京都の硬度データー区分マップ

純水洗車ついてより深く知りたい方は下記をご覧くださいませ。

雨を洗車代わりにするメリット

汚れが落ちやすい

雨が降り全体が濡れていると汚れなどもふやけて柔らかくなり大雨ですと軽いチリホコリも流れていきますので残りの汚れは堆積物というよりも軽めの水垢とかの固着系の汚れになります。

マイクロファイバークロスで軽く擦ることで微細な汚れも取り去ることが出来ます。

雨を洗車代わりにするデメリット

①洗車不足: 雨水だけで洗車を行うと、表面の汚れや砂塵などが完全に落ちきらず、洗車不足となり車体と擦る可能性があります。これが繰り返されると、車の外観やコーティングに影響を及ぼす可能性や恐れがあります。

②水アカの発生: 雨水に含まれる鉱物質が蒸発する際、水アカが発生することがあります。特に硬水地域では、水アカが蓄積しやすくなります。地域特性を把握し雨を利用しましょう。

③塩害: 海沿いなどで雨水に含まれる海塩が車体に付着すると、塩害が起こる恐れがあります。定期的な洗車を行わないと、塩害が進行する可能性があります。

④コーティング効果の低下: 雨水だけで洗車を行うと、コーティング剤の効果が低下低下する可能性があります。定期的なメンテナンスが必要です。

雨を洗車代わりにする場合の注意点

雨で洗車する際の注意点、失敗しないコツなどを紹介します。春先は花粉や黄砂、PM2.5などが雨に含まれているので、雨での洗車には向きません。夏や秋ならおすすめです。

雨を利用した洗車は手間や時間、お金をかけずに気軽にできますが完璧ではありません。通常は雨ではなく曇天の日の洗車が一番おすすめでございます。本格的に洗車をするならプロの業者による洗車などがおすすめです。

弱い雨や霧雨と雨の降り始めは避けたほうがよい

霧雨や弱い雨と降り始めの雨は、大気中の汚れが含まれていることが多いです。
雨の天気予報で洗車後に強い雨が降ることが予想される場合は、洗車を始めると洗車前よりもさらに汚れる可能性が高いのでそのような天気の際は避けましょう。

小雨が降り始めて時間が少し経過して(大気中の汚れがひとしきり落ちたところで)、この後に普通の雨がくるという予報があればその時が雨の洗車のタイミングには良いです。

拭き上げ作業について

雨の降り始めからすこし経過すると、大気中の汚れが少なくなり、成分も軟水になります。

雨水は車体への影響は少ないので、雨で洗車する時は基本的に拭き上げ作業は必要ありませんが雨が上がったタイミングで水滴を軽く拭き上げることは良いことです。特に気温の高いシーズンは拭き上げた方が良いでしょう。

ただし、すでに塗装に傷が入っていたり塗装が剥げている部分があるとそこが原因で雨水が入り込みサビの原因になる事もあるので注意してください。

まとめ

ここまで雨の中での洗車について解説してきました。

クルマにこだわりのある方にはピンとこない洗車方法かもしれませんが近年の「エコロジー」の観点からいうと雨水洗車は完全にエコロジーです。

洗剤も使わず、水道水も使わないのですからね。

皆様のお悩み事、一般的な「洗車の頻度」についても以下のページで解説しておりますので参考にしてください。

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クルマ好きでキレイを維持されたい方にしたら「雨水洗車ってちょっとな〜」と思う方が殆どかもしれませんが試してみる事はよいことです。

環境が許す場合はお試し頂いても良いかもしれませんね。

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及川勝一

車コーティング専門店『ポリッシュファクトリー』で、施工歴37年。

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