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鏡面加工?今昔

鏡面加工とはなんぞや?

 多くの方が鏡面加工というと想像されるのは「鏡のような映り込み」

金属加工で鏡面加工というとその通りで良いのだと思うが自動車の塗装面ですと無理があります。

金属の場合車の塗装のようにクリアー塗装とかの部分がないので鏡面に加工できる部分の限界の厚みが車に比べると多くとれます。故に鏡面は容易に可能。

自動車塗装の場合、クリアー層は概ね40-50ミクロン程度の厚みしかなくその部分での勝負となるので厳しい作業になります。40ミクロン全部削ることは出来ずせいぜい20ミクロン程度が限界か。

元塗装の厚みから知っておくと長きの間その愛車の塗装を管理できるのです。ガラスコーティング施行には必須の膜圧管理となります。とはいえ持っているだけでは宝の持ち腐れ、何万台と測った経験により見いだせるものがあるのです。

昔の鏡面加工とは

 油性塗料の時代はTOP塗装クリアー部を少し削ると鏡面加工のような凹凸の少ないキレイに見える表面になったものです。日本がまだ元気だった頃の車の耐久年数は1桁で現代のように11年とかの耐久年数はないのでした。

故に20-30年前はクリアー層を削ってFerrariのような凹凸の少ないいわゆる鏡面加工が流行りました。

その鏡面加工をうたっているお店は「腕の良い店」「磨きの匠」などともてはやされたものです。

それがいつしか鏡面加工よりも「耐久性」の時代になり仕上げよりも長く効果のある車のコーティングを熱望される人が増えたのです。

下記画像はあえて磨きを重点に置いた塗装の磨き前と磨き後の画像です。(この画像の頃は油性塗料)

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磨き前のメルセデスベンツのCピラー

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磨き後のメルセデスベンツのCピラー

現代の鏡面加工とは

 現代の鏡面加工とは水性塗装の台頭により塗装表面が何故か「パサパサ」になり新車なのに新車に見えないほどの艶のなさなのであります。(少々大げさ、すません)

昔の油性塗料の経験が長い方ほど「最近の車は艶が悪くなった」と仰る方が多く、コーティング施工に対して鏡面加工を求める方が多くなりました。

これは昔の塗装の方が艶があった、映り込みが良かった、と思う方が多いのではないかと思います。私及川自身も思います。ツヤツヤではなくバサバサのフィニッシュの車が増えた気がします。

実際スバル、マツダ、メルセデスCクラスなどが粒状感が強いのです(2016年現在)

そのバサバサを除去する程度の下地処理が現代では「鏡面加工」に近いのではないかと思います。高級スポーツカーの如く塗装の段階で中間研磨を入れて塗装の波打ちを消していわゆるプラモデルのように見える凹凸のない映り込みは現代の車では凄く危険なのです。

あえてやる事は出来るのでしょうが、塗装膜圧を極端に減らしてまでする事は無意味で寿命を減らすだけになってしまいます。昔のメルセデスなどはいわゆる「ゆず肌」を故意につくり車とは遠くの景色を写してみてくださいと聞いた気がします。

現代の水性塗料のバサバサな仕上がりを当社では「粒状感のある仕上がり」と呼んでおりそれを出来るだけ危険の無い作業で寿命も考えた上でのコーティング前の下地処理は行っております。より一層ツヤツヤ感のある仕上がりを求める方はどうぞおっしゃってください。

車の寿命の流れと共に変わった?!

 トヨタ車など寿命はとても長くなり、知り合いのカローラフィールダーなど10万キロなど全然へっちゃらで水と油管理だけで壊れると言う事が極端に減りました。知人のフィールダーなど新車購入後から手放すまで20万キロ、エアコンなど入れっぱなしで一年中乗っていても壊れた事は一度も無いという。

塗装はというと両手放しで何もせずに白い車が白くいられるかと言ったらそうでもなく、どこかの段階ではメンテアンスをしなくては白を保てません。

汚れとの戦いはいつまでも続くのですが、表面加工としてツヤの無いいわゆる艶消し塗装のように見えるのでも良いのなら恐ろしいくらい撥水をして(ハスの葉理論で)汚れを固着させない技術はあるという。

ところが車というのは外装はツヤが無いといけないので、それを保つ為には建築などの長期間美観を保つそれとは方向が違います。艶があってなおかつキレイを保てると言うのが自動車塗装の命題なのです。

機関は10年も持つようになったし外装も10年くらいは錆も出ないようになりましたが美観として保てるかは別問題、現代技術を持ってしても車のボディ外観には手を入れてあげませんと(洗車やコーティングなど)美観は保てないのです。

コーティングの意義とは

 いわゆる昔のカーコーティングやポリマー加工は光り輝くボディを目標にしており寿命は1年程度でしたが、現代は1度の施工で長くキレイを保てることが当たり前になってきました。

鏡面加工のように素晴らしい映り込みよりも、長期間キレイな表面で痛みの少ないボディをいかに保てるかというのが現代のコーティングの意義であります。

1度の施工で、「粒状感のある仕上がり」の塗装ではなく、ツヤツヤで洗車が楽になり長く保てると言うのがガラスコーティングの使命となりました。

鏡面加工の意味が現代では映り込みが鏡のようではなく、粒状感が減り、元塗装よりもトロン〜とした表面になり長くそのガラスコーティング効果が保てることを現代の鏡面加工と当社ではご説明しております。

 

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及川勝一

車コーティング専門店『ポリッシュファクトリー』で、施工歴37年。

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