こんにちは。カーディテーラーの及川です。35年以上、車のコーティングを専門に手がけてきました。今日は、トヨタ車の新車コーティングについて、皆さんに詳しくお話ししたいと思います。つい先日も、新車のカムリを購入されたお客様から面白い相談を受けました。 「及川さん、ディーラーでコーティングを勧められたんですけど、正直迷ってるんです。必要なのはわかるんですが、ディーラーでいいのか専門店がいいのか...」 実はこれ、本当によく聞く質問なんです。特にトヨタの新車を購入された方からは、毎週のように相談を受けます。
私も最初は「新車だからコーティングなんて...」と思っていた時期がありました。でも、35年間で約2万台以上の施工を行って分かったことがあります。それは、新車時のコーティングの有無で、3年後の車の状態が驚くほど変わるということ。 先日も面白い出来事がありました。3年前に双子のお兄さんが新車のカローラを2台購入。片方はコーティングあり、もう片方はなし。3年後の査定額に、なんと15万円もの差がついたんです。これには私も驚きましたね。
この記事では、私の経験をもとに、以下のポイントを詳しくお伝えしていきます:
- トヨタの新車にコーティングが必要な理由
- ディーラーと専門店、それぞれの特徴と選び方
- 知っておくべき各種コーティングの特徴
- 費用対効果と長期的なメリット
- 失敗しないためのポイント
参考記事:新車コーティングは必要か?おすすめはディーラーより専門店!
1. トヨタ新車コーティングの基礎知識
「新車なのになぜコーティングが必要なの?」 この質問には、ちょっと面白い例え話でお答えしています。 「新車って、実は"裸"で外に出ているようなものなんです。真夏に日焼け止めなしで海に行くようなものですね。」 この例え話をすると、だいたいの方が「なるほど!」と納得してくださいます...(続く)
実は新車の塗装は、見た目は確かに美しいのですが、意外なほど環境からの攻撃に弱いんです。私が35年間で見てきた中で、最も印象的だった例をお話しします。 あるお客様が新車のハリアーを購入されて、「様子を見てからでいいや」とコーティングを見送られました。ところが、納車からわずか2週間後、桜の木の下に駐車した際に花びらから出た樹液が塗装面に付着。そのまま放置されたことで、塗装面に消えない染みができてしまったんです。
新車の塗装が直面する4つの脅威
新車の塗装を劣化させる要因は、実は身近なところに潜んでいます:
1. 紫外線による塗装の劣化
「日焼けによるシミやソバカスと同じです」とお客様には説明しています。特に最近は紫外線が強くなっていて、放置すると半年で艶が落ち始めます。私が施工した車と比べると、その差は歴然。コーティング施工車は3年経っても新車の輝きを保っているんです。
2. 酸性雨による腐食
先日も驚いたんですが、都心部での酸性雨の酸性度が20年前とほぼ変わらないというというデータを見ました。相変わらず、未施工の車を見ると、ボディ上部に無数の微細な腐食跡が見られることが増えています。
3. 鳥の糞害
「鳥の糞って水で流せばいいんでしょ?」とよく聞かれます。実はこれが大きな間違い。鳥の糞には強い酸性物質が含まれていて、夏場だと2時間で塗装面にダメージを与え始めます。私の経験では、放置すると最悪の場合、塗装の塗り直しが必要になることも。
4. 虫の死骸による塗装の変色
特に春から夏にかけては要注意です。虫の死骸にも酸性の物質が含まれていて、これが塗装面を侵食します。高速道路をよく走る方は、フロント部分の塗装劣化が著しいことが多いんです。
コーティングの種類と特徴
ここで重要なのが、車の使用環境や予算に応じて最適なコーティングを選ぶこと。私のお客様の例を交えながら、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
1. ガラスコーティング(施工価格:15〜25万円)
最も人気の高い選択肢です。多くの方ががこちらを選ばれます。その理由は、耐久性と艶のバランスの良さ。 先日、3年前にガラスコーティングを施工したアルファードのオーナー様が点検に来られましたが、週1回の洗車だけで新車の輝きを保っていました。特に黒や濃紺などの濃色は、ガラスコーティングの効果が際立ちます。
ガラスコーティングの特徴:
- 耐久性:3〜5年
- 高い撥水性と艶
- メンテナンスが比較的容易
- 中価格帯でコストパフォーマンスが良好
2. ポリマーコーティング(施工価格:5〜10万円)
「まずはお手頃な価格で試してみたい」という方には、ポリマーコーティング。友人の妻の車もポリマーコーティングなんです。 毎日の通勤で使用していますが、半年に一度のメンテナンスで十分な艶を保っていると聞きます。ただし、頻繁に野外駐車する場合は、耐久性の高いコーティングがおすすめです。
3. セラミックコーティング(施工価格:20〜35万円)
最新技術を結集した高級コーティングです。先月、レクサスLCのオーナー様に施工させていただいたのですが、仕上がりを見た時の「うわっ!」という驚きの声が忘れられません。 セラミックコーティングの最大の特徴は、その硬度と耐久性。一般的なガラスコーティングよりも硬度があり、小さな擦り傷からもしっかり守ってくれます。ただし、その分の価格も伴いますので、愛車を5年以上乗り続けたい方や、高級車オーナーの方におすすめしています。
2. ディーラーと専門店の違い
トヨタディーラーのコーティング
実は私、トヨタディーラーのコーティング内容を詳しく当事者から聞いたことがあります。その経験から、ディーラーコーティングの内側をよく存じています。 まず、よく聞かれるのが「ディーラーのコーティングって実際どうなの?」という質問。正直に申し上げると、一概に「良い」「悪い」とは言えません。
ディーラーコーティングのメリット
- 新車購入時の手続きがスムーズ
→ローンと一緒に組めるので、初期費用を抑えられます。先日も若いご夫婦が、この理由でディーラーコーティングを選択されていました。
- トヨタの保証が付く
→大手メーカーならではの安心感があります。特に保証重視の方には魅力的なポイントですね。
- 系列のディーラーでメンテナンス可能
→近隣での転居の多い方には、この点は大きなメリットになります。
ディーラーコーティングの注意点
ただし、以下のような課題もあります:
- 施工品質にばらつきがある
→担当する技術者の経験値で仕上がりが変わることも。今も昔も課題です。
- コーティング剤の選択肢が限られる
→最新の高性能コーティングが選べないことも。
- 細かなカスタマイズが難しい
→たとえば、ボンネットだけ強めの保護膜にするといった柔軟な対応が難しい場合が多いです。
専門店のコーティング
ここで、ある興味深いエピソードをお話しします。 先日、あるお客様が「ディーラーと専門店、両方見積もりを取って比較したんです」とおっしゃいました。結果的に当店を選んでいただいた理由が印象的でした。 「及川さんのところは、車の状態を細かくチェックした上で、うちの使用環境に合わせたコーティングプランを提案してくれた。その専門性の高さに惹かれました」
専門店ならではの強み
- 徹底した下地処理
→新車でも実は微細な傷や汚れがあります。当店では平均4〜20時間かけて下地処理を行います。
- 豊富なコーティング剤から最適なものを選定
→車種や使用環境に応じて、5種類以上のコーティング剤から選定可能です。
- 職人による丁寧な手作業
→私自身、施工は行いますし、社員の施工車については特に重要な工程は必ず自分の目で確認し指導または施工いたします。
コーティング施工の裏側
実は、コーティング施工には「職人の技」が大きく影響します。例えば、同じコーティング剤を使用しても、塗布の厚さや乾燥時間の管理で仕上がりが変わってくるんです。 私の場合、気温や湿度によって塗布回数等を微調整しています。真夏と真冬では、同じ製品でも使い方が変わってくるんですよ。これは35年の経験があるからこそできる調整なんです。
3. 最適な施工時期とコスト
新車コーティングのベストタイミング
「コーティングっていつやるのがベストなんですか?」 これは本当によく受ける質問です。結論から言うと、納車後2週間以内がベストです。その理由を、つい先日あった実例でご説明しましょう。 同じ時期に購入された2台のカムリ。1台は納車直後、もう1台は3ヶ月後に施工させていただきました。実は、3ヶ月後の施工では、既に微細な傷や水垢がボディに付着していて、下地処理に余計な時間と手間がかかったんです。
納車後すぐの施工がベストな理由
- 新車の完璧な状態を維持できる
→1日たりとも無防備な状態を作らないことが大切です
- 下地処理の手間が最小限
→結果的にコストダウンにもつながります
- コーティングの効果が最大限発揮される
→塗装面が最も綺麗な状態だからこそ、完璧な仕上がりに
費用相場と長期的なメリット
「コーティングって結構な出費ですよね...」 確かにその通りです。でも、ここで面白いデータをご紹介させてください。 私の知り合いの施工店でのお客様で、5年間の維持費を細かく記録されている方がいらっしゃいます。コーティング施工車と未施工車を比較すると、こんな差が出ていました
5年間のトータルコスト比較
- コーティング施工車
・初期投資:15万円(ガラスコーティング) ・年間メンテナンス:2万円×5年 ・5年後の査定差額:+12万円 →実質コスト:13万円
- コーティング未施工車
・洗車代:月4,000円×60ヶ月 ・汚れ・傷の補修:5万円 ・5年後の査定差額:-12万円 →実質コスト:41万円
「えっ、そんなに差が出るの?」と驚かれる方も多いのですが、これが現実なんです。 特に最近は、中古車市場でもコーティング施工車の評価が高くなっています。先日、あるディーラーの査定担当の方が言っていました。 「コーティング施工済みの車は、外装の状態が良好なので、査定額にプラス評価を付けやすいんです」
4. メンテナンス方法と耐久性
日常のお手入れ方法
実は先週、こんな出来事がありました。 3年前にコーティングを施工したプリウスのオーナー様が、点検のために来店されました。その車の艶を見て、私も思わず「わっ!」と声が出てしまいました。新車時のような輝きが保たれていたんです。 秘訣を伺うと、実はとてもシンプルな日常ケアを続けていただけだったんです。
効果的な日常ケア3つのポイント
1. 洗車のタイミング - 週1回の水洗い(できれば手洗い) - 鳥の糞や虫の死骸は見つけ次第除去 - 花粉の時期は特に注意 正しい洗車方法 2バケツ方式(洗車用と濯ぎ用) 上から下への洗い流し 専用のムートングローブを使用 乾燥時のコツ セームタオルやマイクロファイバークロスを使用 拭き残しを作らない 強くこすらない
季節ごとのケアポイント
35年間、四季の変化と共に車の状態がどう変わるかを見てきました。特に注意が必要な季節ごとのケアポイントをご紹介します:
春(花粉シーズン)
花粉には意外な落とし穴があります。実は花粉に含まれる成分が塗装面を傷める可能性があるんです。 先日も、杉花粉の時期に放置されていた車を見る機会がありました。ボディ全体が黄色い粉で覆われ、それが雨で固着してしまっていたんです。
夏(強い紫外線)
私の経験上、最も塗装にダメージを与えるのが夏の紫外線です。 駐車環境に大きく左右されるのでボディカバーや屋内駐車を心がけると数年後の状態が良い結果になります。
秋(落ち葉と水垢)
紅葉の季節は美しいですが、実は車にとっては要注意。落ち葉に含まれる液が塗装面に付着すると、意外と手強い汚れになります。 つい先日も、カローラクロスのオーナー様から「落ち葉の染みが付いちゃって...」という相談を受けました。早期発見で対応できましたが、放置すると本当に厄介なんです。
冬(塩害と凍結)
特に雪国にお住まいの方は要注意です。融雪剤による塩害は、想像以上に車体にダメージを与えます。
以前、北海道から引っ越してきたお客様の車を見て驚いたことがあります。わずか2年で下回りにサビが目立ち始めていたんです。コーティングと定期的なケアで、こういったダメージは大幅に軽減できます。下回りは塩害を受けそうな時期は下回り洗浄が効果的です。
定期メンテナンスの重要性
「コーティングしたから安心」と思っている方、ちょっと待ってください。実は、これが大きな落とし穴なんです。 先日こんなことがありました。2年前にコーティングを施工したお客様が、「なんだか最近、艶が落ちてきた気がする」とおっしゃって来店されました。確認してみると、確かに表面の撥水性が低下していました。 原因を伺ってみると、「コーティングしたから大丈夫だと思って、普段の手入れをサボっていました」とのこと。これ、実はよくある話なんです。
推奨するメンテナンススケジュール
- 3ヶ月に1回:簡易メンテナンス
→専用のメンテナンスキットを使用して、表面の汚れを除去し、撥水性を回復させます。これ、実は自宅でもできるんですよ。
- 6ヶ月に1回:プロによる点検・メンテナンス
→微細な傷や汚れを専門的に除去します。ここで手を抜くと、コーティングの寿命が大幅に縮まってしまいます。
5. よくある質問(Q&A)
35年間、数え切れないほどの質問を受けてきました。その中でも特に多い質問をピックアップしてお答えします。
Q1. トヨタの新車にコーティングは本当に必要ですか?
A: はい、特にトヨタ車には必要だと私は考えています。その理由は、トヨタ車の高い品質にあります。 実は、高品質な塗装ほど、適切な保護をしないとその価値を十分に発揮できないんです。トヨタの塗装は非常に緻密で美しいのですが、それゆえに環境からの影響を受けやすい面もあります。 先日、5年落ちのプリウスを2台同時に見る機会がありました。1台はコーティング施工車、もう1台は未施工車。その差は歴然としていて、コーティング車は新車の輝きを保っていましたが、未施工車は明らかに艶が失われていました。 新車時の美しさを保ち、将来の資産価値を守るためには、早期のコーティングがおすすめです。
Q2. コーティングの効果はどのくらい持続しますか?
A: コーティングの種類と、その後のケア次第で大きく変わります。私の経験では: ガラスコーティング:適切なメンテナンスを行えば3〜5年 セラミックコーティング:5〜7年 ポリマーコーティング:1〜2年 ただし、これはあくまで目安です。実際には、使用環境や日々のケアによって大きく変わってきます。
Q3. ディーラーと専門店、どちらで施工すべきですか?
A: これは、よくご相談いただく内容ですね。結論から言うと、以下のような基準で選んでいただくことをお勧めしています: ディーラーがおすすめの方: 新車購入時の手続きを一括で済ませたい ローンに組み込みたい 全国どこでもメンテナンスを受けたい 専門店がおすすめの方: より高品質な仕上がりを求める 愛車に特別なこだわりがある 細かなカスタマイズを希望する 実際にあった例をお話しします。先日、クラウンを購入されたお客様が、最初はディーラーでコーティングを検討されていました。ただ、「10年は乗りたい」というご要望があり、より耐久性の高いセラミックコーティングをご提案させていただきました。結果的に、その選択に大変満足していただけました。
Q4. 洗車機は使用できますか?
A: これは本当によく聞かれる質問です。結論から言うと、コーティング後1ヶ月経過すれば、基本的には使用可能です。ただし、いくつか注意点があります。 私のお客様で、毎週洗車機を使用している方がいらっしゃいます。その方のアドバイスを交えてお伝えすると: 柔らかいブラシの洗車機を選ぶ できるだけ接触式は避ける 高圧洗浄は控えめにする 特に気を付けていただきたいのが、安価な洗車機です。先日、某コインパーキングの硬いブラシの洗車機で、細かい傷が付いてしまったという相談を受けました。
Q5. 施工後の注意点は?
A: 施工直後は、コーティング被膜が完全に硬化していない状態です。以下の点に注意が必要です: 施工後24時間は水との接触を避ける 2週間は洗車を控えめに 1ヶ月は強い洗剤の使用を避ける事が推奨されます。
6. まとめ:あなたに最適なコーティングの選び方
35年間、数多くの車を見てきた経験から、最後に重要なアドバイスをさせていただきます。
1. 使用環境を考慮する
- 屋外駐車が多い → 耐久性重視のセラミックコーティング - 室内駐車場がメイン → スタンダードなガラスコーティング - 短期リース → コスパ重視のポリマーコーティング
2. 予算と長期的な価値を考える
先日、こんな計算をしたお客様がいました。 「月々のコーヒー代や日常の押さえることが出来ることを少し減らせば、良いコーティングが施工できる。それなら愛車の価値を守る方が大事!」 なるほど、そういう考え方もありますよね。
3. 施工後のケアまで考えて選ぶ
どんなに良いコーティングでも、適切なケアがなければその価値を発揮できません。ご自身のライフスタイルに合わせて、無理なくケアできる方法を選びましょう。
最後に一言。 新車の輝きを守るのは、決して難しいことではありません。適切なコーティングと基本的なケアを続ければ、3年後、5年後も新車の輝きを保つことができます。 私たちプロの仕事は、単にコーティングを施工するだけでなく、お客様の大切な愛車を長く美しく保つお手伝いをすること。ぜひ、素敵なカーライフをお楽しみください。
※この記事の内容は2024年10月現在のものです。最新の情報は各販売店にてご確認ください。