洗車とコーティングに役立つ知識

新車オプション選びの罠|プロが教える不要なTOP5

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新車購入は人生の大きなイベントの一つですが、同時に悩みの種にもなりがちです。特に、どのオプションを選ぶべきか、何を避けるべきかという問題は多くの人を悩ませています。「新車オプションいらないもの」というキーワードで検索する方々の多くは、賢明な選択をしたいと考えているのではないでしょうか。

新車のカタログを開くと、魅力的に見えるオプションの数々。しかし、それらすべてが本当に必要なものでしょうか? 実は、多くのオプションは高額な割に使用頻度が低かったり、後付けで安価に導入できたりするものも少なくありません。

本記事では、新車購入を検討している方々に向けて、本当に必要なオプションと、あえて選ばなくても良いオプションについて詳しく解説します。元ディーラー営業マンの意見や実際のユーザーの経験談を交えながら、オプション選びの失敗を防ぎ、賢明な選択をするためのポイントをお伝えします。

新車オプションの基本知識

メーカーオプションとディーラーオプションの違い

ブラインドスポットはあった方が良いオプションの画像

新車を購入する際、まず理解しておきたいのがメーカーオプションとディーラーオプションの違いです。

メーカーオプションは、車両の製造段階で装着されるオプションです。通常、車の基本性能や安全性に関わる重要な装備が多く含まれます。例えば、先進的な安全装備や特殊なエンジン、専用のインテリアなどがこれに該当します。これらは後付けが難しく、初期の選択が重要になります。主には下記のような装備が「メーカーオプション」となっています。

・ブラインドスポットモニターなどの「先進安全装備」
・バックカメラ&モニター
・スマートエントリーシステム(鍵を身に着けていれば自動的にドアロックが解除される機構)
・本革シート
・サンルーフ(パノラマルーフ)
・AC100Vのアクセサリーコンセント

一方、ディーラーオプションは、販売店で取り付けられるオプションです。ナビゲーションシステム、ドライブレコーダー、フロアマットなどが代表的です。これらは後から追加することも可能で、比較的柔軟な選択が可能です。

・フロアマット
・ETC車載器
・ドライブレコーダー
・リモコンエンジンスターター

オプション選びが車両価格に与える影響

オプションの選択は、車両の最終価格に大きな影響を与えます。高額なオプションを多く選択すれば、当然ながら車両価格は跳ね上がります。例えば、高級ナビゲーションシステムや本革シートなどを選択すると、数十万円単位で価格が上昇することも珍しくありません。

しかし、注意すべきは価格だけではありません。一部のオプションは将来の転売価値リセールバリューにも影響を与えます。人気の高い安全装備や、その車種で定番となっているオプションは、中古車市場での評価を高める可能性があります。

海外で転売されるような車種の場合はマストでつけなきゃぁいけないオプションも存在します。たとえばランクル300の場合は・ニュートラルベージュ内装、7人乗り/ガソリンエンジン、リヤエンターテイメントシステムやクールボックスがついていると売却時にはとても有利に働くのです。

どのオプションをつけたら良いかで迷ったらGoogleで検索してみたら良いですね!
キーワードは「車種名+リセール オプション」これで色々と分かりますので是非!

筆者は最近ではGoogleで検索するよりもパープレキシティで検索します。これが実に優秀でございます。

後付け可能なオプションとそうでないもの

オプション選びで重要なポイントの一つが、後付けの可能性です。後付け可能なオプションは、購入時に選択せずとも、必要に応じて後から追加できるため、初期費用を抑えることができます。

後付け可能なオプションの例:
- ナビゲーションシステム(社外品で代用可能)
- ドライブレコーダー(後付け可能ながら納車時にはついていた方が良いアイテム)
- フロアマット(純正品と社外品との値段差が激しい商品、筆者は純正は選びません)
- シートカバー
- ETC(後付け可能ながら納車時にはついていた方が良いアイテム)

一方、後付けが難しいか不可能なオプションもあります。これらは購入時の選択が特に重要になります。

サンルーフ画像

サンルーフとは、車のルーフに「開口部」を設置できるメーカーオプションです。開放感が得られる点は魅力ですが、実際には小さな開口部に過ぎないため、「最初は頻繁に使用していたが、そのうち使わなくなった」というケースも少なくありません。一般的に10万円以上かかる高価なオプション装備であるため、本当に必要かどうかを冷静にじっくり検討することが重要です。

本革シートは高級車のシート素材として、本革が長らく定番とされてきましたが、近年では合成皮革を採用する車種も増えてきています。いずれにせよ、レザーあるいはレザーライクな質感のシートを指します。本革シートには確かに高級感があり、所有する喜びをもたらしますが、同時にいくつかの課題も存在します。例えば、蒸れやすい点や、運転中に体が滑りやすくなる点、冬場に冷たく感じる点、さらにはデニムなどの衣類の色が移る可能性がある点などが挙げられます。つまり、本革シートには魅力的な面もありますが、必ずしもメリットだけではないのです。そのため、個人の価値観や使用状況に応じて、慎重に検討することをお勧めします。シート素材の選択は、快適な運転体験に大きく影響する重要な要素なのです。

後付けが難しいオプションの例:
- 先進安全装備(自動ブレーキ、レーンキープアシストなど)
- パノラマルーフ
- 本革シート(これについては嫌いな人は徹底的に嫌いなオプション)
- 特殊なエンジンや駆動系

これらの基本知識を踏まえた上で、次のセクションでは実際にいらないと考えられるオプションについて詳しく見ていきましょう。

本当にいらない新車オプションTOP5

高額なナビゲーションシステム

多くの新車で提供される純正ナビゲーションシステムは、高額なオプションの代表格です。しかし、スマートフォンの普及により、その必要性は大きく低下しています。

理由:
- スマートフォンのナビアプリは無料で使用可能
- 地図データの更新が頻繁で最新情報を反映
- 純正ナビは数年で陳腐化する可能性が高い

代替案:
スマートフォン用のホルダーを購入し、お気に入りのナビアプリを使用する。必要に応じて後付けの社外ナビを検討する。

純正フロアマット

ほとんどのケースでフロアマットはディーラーオプションとなっており、ベーシックなものから非常に高級なタイプまで、さまざまな選択肢があります。好みによりますが、基本的には「ベーシックなタイプ」のフロアマットで十分です。実際、ベーシックなタイプのほうが、長毛タイプよりも洗いやすくて便利なことが多いです。

ディーラーオプションとして提供される純正フロアマットは、高額であるにもかかわらず、必ずしも品質が優れているとは限りません。

理由:
- 純正品は割高な傾向がある
- 社外品でも同等以上の品質のものが多数存在
- 使用状況に応じて選択肢が広がる

代替案:
車種に合った社外のフロアマットを購入する。オールシーズンタイプや防水タイプなど、自分のニーズに合わせて選択可能。社外品でも自社製造をしている会社の商品は比較的安心できます

ボディコーティング

ディーラーコーティングのイメージ画像

ボディコーティングは、新車購入時に多くのディーラーが熱心に勧めるオプションですが、実際には最も不要なオプションの一つと言えます。

理由:

1. 過剰な価格設定:
ディーラーオプションのボディコーティングは、その効果に比べて非常に高額です。同等のサービスを洗車専門店で受ければ、半額以下で済むことも珍しくありません。

2. 効果の持続性に疑問:
ディーラーは長期間の効果を謳いますが、実際には効果が薄れることが多いです。定期的なメンテナンスが必要ですが、それも追加費用が発生します。

3. 施工品質のばらつき:
ディーラーでの施工は、専門店と比べて品質にばらつきがあることが多いです。経験の浅い内製スタッフが担当する可能性もあり、期待通りの仕上がりにならないリスクがあります。

4. 過大な効果の宣伝:
「傷がつきにくくなる」「洗車が楽になる」などと宣伝されますが、実際の効果は限定的です。通常の使用では、コーティングの有無による大きな差は感じられないことが多いです。

5. DIYオプションの存在:
近年、高品質なDIY用コーティング剤が市販されています。これらを使用すれば、数千円程度で同様の効果が得られます。施工環境があり時間がある方は良いかもしれません。

代替案:

1. 購入後に専門店でコーティングを行う:
品質が高く、長期的に見ると価格も抑えられます。

2. 定期的な洗車とワックスがけ:
マニアではない方は基本的なカーケアで十分な艶と保護が得られます。

3. 市販のコーティング剤を使用:
DIY派の方は、高品質な市販品で自分でコーティングを行えます。

4. セラミックコーティングの検討:
より高度な保護を求める場合は、ディーラーオプションではなく、専門店でのセラミックコーティングを検討しましょう。

結論として、ディーラーオプションのボディコーティングは、その高額な費用に見合う価値を提供していないことが多いです。この資金を他の必要なオプションや、より効果的なカーケア方法に振り向けることをお勧めします。

純正ドライブレコーダー

ドライブレコーダーとは、運転中の映像や音声を記録する車載装置です。交通事故やヒヤリハット、あおり運転などの状況を映像として残すことができます。もちろん、「あおり運転」や「事故」には遭遇しないに越したことはありませんが、実際にはそのリスクを完全に排除することはできません。いざという時の“証拠”としても役立つドライブレコーダーは、現代のドライバーにとってなくてはならない「必需品」と言えるでしょう。

ドラレコのイメージ画像

純正のドライブレコーダーは、取り付けの美しさや保証の観点から魅力的に見えますが、価格面では大きな課題があります。

理由:
- 社外品と比較して非常に高価
- 機能面で社外の高性能モデルに劣ることも
- 技術の進歩が速く、数年で旧式化する可能性がある

代替案:
評価の高い社外のドライブレコーダーを選択する。必要に応じて前後2カメラタイプや高画質モデルを検討できる。商品持ち込みでディーラーにて施工できるかどうかを事前にしてみるのもよし。

不要な安全装備

近年、様々な安全装備が登場していますが、すべてが必要というわけではありません。特に、自分の運転スタイルや使用環境に合わない装備は避けるべきです。

理由:
- 使用頻度が低い割に高額
- 過度に依存すると、運転スキルの低下につながる可能性
- メンテナンスコストが高くなる場合がある

代替案:
自分の運転スタイルや使用環境を考慮し、本当に必要な安全装備のみを選択する。基本的な安全装備(エアバッグ、ABS等)は標準装備されていることが多いので、それ以上の装備は慎重に検討する。

これらのオプションを避けることで、新車購入時のコストを大幅に抑えることができます。次のセクションでは、逆に必要最低限のオプションについて見ていきましょう。

必要最低限のオプション選び

安全性を高める必須オプション

先進安全装備のイメージ画像

安全性に関わるオプションは、できる限り装備することをおすすめします。特に以下のオプションは検討する価値があります:

- 衝突被害軽減ブレーキ:前方の車両や歩行者を検知し、自動でブレーキをかけるシステム
- レーンディパーチャーアラート:車線逸脱を警告するシステム
- アダプティブクルーズコントロール:前方車両との車間距離を自動で調整するシステム

これらの装備は事故リスクを大幅に低減させ、保険料の割引にもつながる可能性があります。

快適性を向上させる価値あるオプション

バックモニターとは、車をバックギアに入れた際に、車の後方に設置されたカメラの映像がカーナビのモニターに表示されるシステムです。後退や駐車時の安全を確保するために、駐車が苦手な方も得意な方も、この装備は必須と言えるでしょう。標準装備でない場合でも、「ぜひ追加すべき」オプション装備です。

「スマートキー」とはいう車の鍵を持っているだけで、ドアやバックドアの解錠や施錠ができる機能です。荷物を持っていたり、子どもの手を握って両手がふさがっているときに非常に便利です。そのため、「可能であればぜひ追加すべき装備」と言えるでしょう。

バックモニターのイメージ画像

日々の運転をより快適にするオプションも、長期的に見れば価値があります:

- オートエアコン:設定温度を自動で維持してくれる機能
- バックカメラ:駐車時の安全性と利便性を高める
- スマートキー&スタートシステム:鍵を取り出さずに乗り降りや始動が可能

これらは使用頻度が高く、日常的な利便性を大きく向上させるオプションです。

将来の転売価値を考慮したオプション選び

将来の転売を考えている場合、以下のオプションは中古車市場での評価を高める可能性があります:

- 人気のボディカラー:無難な色(白、黒、シルバーなど)は需要が高い
- パワーシート:特に運転席のパワーシートは重宝される
- LEDヘッドライト:視認性が高く、寿命も長いため人気

ただし、これらのオプションを選ぶ際も、自身の使用目的と予算のバランスを考慮することが重要です。

オプション選びの失敗談と教訓

実際のユーザーの後悔体験

多くのユーザーが、オプション選びで後悔を経験しています。典型的な例として:

- 高額な純正ナビを選んだが、スマートフォンのナビの方が使いやすかった
- ボディコーティングを付けたが、効果の持続期間が短かった
- 使用頻度の低い高額オプションを選び、車両価格が予算をオーバーした

これらの経験から、実際の使用頻度と費用対効果を慎重に検討することの重要性が分かります。

元ディーラー営業が明かす選び方のコツ

元ディーラー営業の方々からは、以下のようなアドバイスが得られています:

- カタログだけでなく、実際に装備を体験してから決める
- 必要なオプションと欲しいオプションを明確に区別する
- 同じ機能の社外品との価格差を確認する
- 維持費や保険料への影響も考慮する

これらのポイントを押さえることで、より賢明なオプション選びが可能になります。

オプション交渉のテクニックと断り方

不要なオプションを勧められた際の対応も重要です:

- 事前に必要なオプションをリストアップしておく
- 「検討します」と言って即答を避ける
- 代替案(社外品など)があることを示す
- 丁寧に、但し明確に断る

適切な交渉により、必要最小限のオプションで理想の車を手に入れることができます。

次のセクションでは、よくある質問に答えていきます。

Q&A

Q1: 新車購入時、ディーラーからオプションを強く勧められましたが、全て断っても問題ないですか?

A1: 基本的に問題ありません。ただし、安全性に関わる重要なオプションは慎重に検討しましょう。不要なオプションは丁寧に断り、必要なものだけを選択することが賢明です。ディーラーとの良好な関係を維持しつつ、自分のニーズに合った選択をすることが大切です。

Q2: 後付けできるオプションはどのように判断すればいいですか?

A2: 一般的に、ナビゲーション、ドライブレコーダー、ETCなどは後付け可能です。メーカーのカタログやディーラーに直接確認するのが確実です。また、インターネットで車種別の情報を調べるのも有効です。後付け可能なオプションは、購入時に選択せず、必要に応じて後から追加することで初期費用を抑えられます。

Q3: オプションを付けないと、将来の転売価値に影響しますか?

A3: 一部のオプションは確かに転売価値に影響します。特に安全装備や人気の高い快適装備(例:衝突被害軽減ブレーキ、バックカメラなど)は中古車市場で評価される傾向があります。ただし、高額な装備を付けすぎると、それに見合う転売価格を得られない可能性もあります。バランスを考慮し、汎用性の高いオプションを選ぶのが賢明です。

Q4: メーカーオプションと同等の機能を持つ社外品を使用しても問題ないですか?

A4: 多くの場合、問題ありません。むしろコスト面で有利になることが多いです。ただし、車の保証に影響する可能性がある改造は避けるべきです。ナビやドライブレコーダーなどの一般的な装備であれば、高品質の社外品を使用しても問題ないでしょう。ただし、取り付けは確実に行い、必要に応じて専門店に依頼することをおすすめします。

Q5: 新車購入時、どのくらいの予算をオプションに割り当てるべきですか?

A5: 一般的な目安として、車両価格の5〜10%程度とされています。ただし、これはあくまで目安であり、個人のニーズや経済状況によって大きく異なります。必要最小限のオプションを選び、その上で余裕があれば快適性を高めるオプションを検討するのが良いでしょう。重要なのは、総額が自身の予算内に収まることです。

まとめ

新車のオプション選びは、車選び同様に重要な決断です。本記事で紹介した「いらないオプション」と「必要最小限のオプション」を参考に、自身のニーズと予算に合わせて賢明な選択をしましょう。

ポイントをまとめると:

1. 高額な純正ナビや不要な安全装備など、本当に必要かどうか疑問なオプションは避ける
2. 安全性を高める基本的なオプションは積極的に検討する
3. 後付け可能なオプションは購入後に追加することも考慮する
4. 将来の転売価値(リセールバリュー)を視野に入れつつ、自分の使用目的に合ったオプションを選ぶ
5. ディーラーとの交渉では、明確に自分のニーズを伝え、不要なオプションは丁寧に断る

最後に、オプション選びに正解はありません。自分のライフスタイルや価値観に合わせて、納得のいく選択をすることが最も重要です。この記事が、あなたの賢明なオプション選びの一助となれば幸いです。

 

  • この記事を書いた人
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及川勝一

車コーティング専門店『ポリッシュファクトリー』で、施工歴37年。

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