ガラスコーティングを施した車のメンテナンス方法について、コーティングの特性に応じた注意点を詳しくご説明します。コーティングをされたから何もしなくて良いわけではありません。
汚れたら洗車を効率よくされることによりコーティング寿命も変わります。それぞれ詳しくご説明いたしますのでご覧ください。
本記事では
「ガラスコーティングを施した車のメンテナンス方法やメンテナンスを行う上でのコツ」
「コーティングの効果維持方法、専門家によるメンテナンス方法」
「一般的な注意点や各種トラブルシューティング」
について、1987年創業、カーコーティング専業一筋30余年、新車中古車の施工台数は20,000台超という経験の東京の車コーティング専門店を営む現役施工者である及川が解説いたします。
ガラスコーティングのメンテナンス方法の詳細
ガラスコーティングをした車の定期的な洗車方法
頻度:
- ガラスコーティング施工済み車両は、少なくとも月に1〜3回の洗車を推奨します。
使用する洗車用品:
- 中性洗剤: ガラスコーティング専用の中性洗剤を使用してください。強力な洗剤や研磨剤はコーティングを傷める可能性があるため避けましょう。
- 柔らかいスポンジやマイクロファイバークロス: 塗装面を傷つけないために、柔らかいスポンジやマイクロファイバークロスを使用します。
洗車手順:
- 車全体を水で流し、砂やホコリを落とします。
- 中性洗剤を使って、スポンジやクロスで優しく洗います。
- 洗剤をしっかりと洗い流し、残り水分をマイクロファイバークロスでしっかり拭き取ります。
ガラスコーティング車の各種汚れの除去方法
ガラスコーティング車の鳥糞の除去方法
必要な道具
- 中性洗剤
- マイクロファイバークロス
- スプレーボトル
- 水
手順
早めの対応:
- 鳥糞は放置すると塗装にダメージを与える酸性成分が含まれているため、できるだけ早く除去することが重要です。
水でふやかす:
- スプレーボトルに水を入れ、鳥糞にたっぷりと吹きかけます。数分間放置して、鳥糞が柔らかくなるのを待ちます。
中性洗剤を使用:
- 柔らかくなった鳥糞の上に中性洗剤をスプレーします。
マイクロファイバークロスで拭き取る:
- マイクロファイバークロスを使って、優しく鳥糞を拭き取ります。力を入れすぎず、塗装面を傷つけないように注意してください。
- 鳥糞が取れるまでこのプロセスを繰り返します。
水で洗い流す:
- 最後に、残った洗剤や鳥糞の跡をきれいに洗い流し、マイクロファイバークロスで乾拭きします。
ガラスコーティング車の樹液の除去方法
必要な道具
- 中性洗剤
- マイクロファイバークロス
- スプレーボトル
- 樹液除去剤(市販のもの)
- 水
手順
早めの対応:
- 樹液も塗装を傷める可能性があるため、できるだけ早く除去します。
水でふやかす:
- スプレーボトルに水を入れ、樹液にたっぷりと吹きかけて柔らかくします。しばらく放置して樹液が柔らかくなるのを待ちます。
樹液除去剤を使用:
- 市販の樹液除去剤を使用する場合は、製品の説明に従い、適量を樹液の上にスプレーします。
マイクロファイバークロスで拭き取る:
- マイクロファイバークロスを使って、優しく樹液を拭き取ります。力を入れすぎず、塗装面を傷つけないように注意してください。
洗剤で洗う:
- 樹液が完全に取れたら、車の塗装面を中性洗剤で洗います。
水で洗い流す:
- 最後に、残った洗剤や樹液の跡をきれいに洗い流し、マイクロファイバークロスで乾拭きします。
注意点
- 早めの対応: 鳥糞や樹液は早めに除去することが重要です。長時間放置すると塗装に深刻なダメージを与えることがあります。
- 優しい力で拭き取る: 強くこすらないようにし、塗装面を傷つけないように注意します。
- 定期的なチェック: 車を定期的にチェックし、鳥糞や樹液が付着していないか確認しましょう。
ガラスコーティング車の虫の死骸の除去方法
必要な道具
- 中性洗剤
- マイクロファイバークロス
- スプレーボトル
- 水
- 専用の虫取りクリーナー(市販のもの)
- バケツ
- 柔らかいスポンジ
手順
柔らかくする:
- 虫の死骸は硬くて落としにくい場合があるため、まずはスプレーボトルに水を入れ、虫の死骸にたっぷりと吹きかけて柔らかくします。数分間放置して虫の死骸が柔らかくなるのを待ちます。
専用の虫取りクリーナーを使用:
- 市販の虫取りクリーナーを使用すると効果的です。クリーナーを虫の死骸に直接スプレーし、数分間放置して浸透させます。必ず製品の指示に従って使用してください。
柔らかいスポンジで拭き取る:
- 柔らかいスポンジを使って、優しく虫の死骸を拭き取ります。力を入れすぎず、塗装面を傷つけないように注意してください。スポンジが汚れたら、頻繁にすすいで清潔な状態を保ちます。
中性洗剤で洗う:
- バケツに水を入れ、中性洗剤を加えて泡立てます。柔らかいスポンジに洗剤を含ませ、虫の死骸を除去した部分を優しく洗います。
水で洗い流す:
- 残った洗剤や虫取りクリーナーをきれいに洗い流します。スプレーボトルやホースを使ってしっかりと水をかけます。
乾拭き:
- マイクロファイバークロスで塗装面を乾拭きします。水分を残さないようにしっかりと拭き取ります。
注意点
- 早めの対応: 虫の死骸は酸性成分が含まれているため、放置すると塗装にダメージを与える可能性があるため、早めに除去することが重要です。
- 適切なクリーナーの使用: 専用の虫取りクリーナーを使用すると、塗装を傷めずに効果的に虫の死骸を除去できます。クリーナーを使用する際は、必ず製品の指示に従ってください。
- 優しく拭き取る: 強くこすらないようにし、塗装面を傷つけないように注意します。
- 定期的なチェック: 車を定期的にチェックし、虫の死骸が付着していないか確認しましょう。
ガラスコーティング車のウォータースポット(雨シミ)の除去方法
必要な道具
- 中性洗剤
- マイクロファイバークロス
- スプレーボトル
- 水
- 専用のウォータースポットリムーバー(市販のもの)
- 柔らかいスポンジ
- バケツ
- クレイバー(クレイバーキット)
手順
初期洗浄
- まず、車全体を水で洗い流し、表面の汚れや砂を除去します。これにより、塗装面を傷つけることなくウォータースポットの除去がしやすくなります。
専用のウォータースポットリムーバーを使用
- 市販のウォータースポットリムーバーを使用します。リムーバーをスプレーボトルに入れ、ウォータースポットに直接スプレーします。リムーバーがシミに浸透するまで数分間放置します。必ず製品の指示に従って使用してください。
クレイバーの使用
- クレイバー(クレイバーキット)を使用すると、塗装面に付着した微細な汚れやシミを物理的に除去できます。クレイバーを使用する際は、潤滑剤(通常は専用のクレイバー潤滑スプレー)をたっぷりとスプレーし、クレイバーを塗装面に優しく滑らせます。
- クレイバーを使っている間、常に表面が滑らかであることを確認し、クレイバーが汚れてきたら定期的に折り返して清潔な面を使用します。※濃色車は特に傷つきに注意が必要です、自信がない場合は専門店にお任せしましょう。
再度洗浄
- クレイバーやウォータースポットリムーバーを使用した後、車全体を再度中性洗剤で洗います。柔らかいスポンジやマイクロファイバークロスを使用して、優しく洗浄します。
水で洗い流す
- 洗剤をしっかりと洗い流し、残ったリムーバーや汚れを完全に除去します。スプレーボトルやホースを使ってしっかりと水をかけます。
乾拭き
- マイクロファイバークロスで塗装面を乾拭きします。水分を残さないようにしっかりと拭き取ります。
注意点
- 早めの対応: ウォータースポットは放置すると塗装に深く浸透し、除去が難しくなるため、できるだけ早く対処することが重要です。
- 適切なクリーナーの使用: 専用のウォータースポットリムーバーやクレイバーを使用すると、塗装を傷めずに効果的にシミを除去できます。必ず製品の指示に従って使用してください。
- 優しく拭き取る: 強くこすらないようにし、塗装面を傷つけないように注意します。
- 定期的なチェックと洗車: 車を定期的にチェックし、ウォータースポットが発生しないように定期的に洗車を行いましょう。
トラブルシューティング
- 深く残ったウォータースポット:
- 上記の方法でも取れない場合は、プロフェッショナルによる研磨作業を依頼することを検討してください。専門店では、ポリッシングマシンを使って塗装面を研磨し、ウォータースポットを除去することができます。
ガラスコーティング車の効果維持方法
定期メンテナンス
- プロフェッショナルによるメンテナンス:
- ガラスコーティングの効果を長持ちさせるために、専門店での定期的なメンテナンスが有効です。通常、6ヶ月〜1年に1度のメンテナンスを推奨します。(ガラスコーティング施工店の推奨期間がおすすめです)
- DIYメンテナンス:
- ガラスコーティングのメンテナンススプレーやリキッドを定期的に使用することで、コーティングの効果を補強できます。
汚れ防止
ワックスの使用:
- コーティングの上にワックスを塗布することは不要ですが、コーティング専用の保護剤を使用することは効果的です。施工店からいただいた液剤や推奨の液剤がおすすめです。
駐車場所の工夫:
- 直射日光や鳥の糞、樹液の落ちる場所を避け、車庫やカーポートを利用すると、コーティングの効果を保ちやすくなります。
プロフェッショナルによるメンテナンス
- 再コーティング:
- 専門店での再コーティングやメンテナンスコートは、コーティングの耐久性を大幅に向上させます。
- クリーニングとポリッシング:
- プロフェッショナルによるポリッシングは、細かい傷を取り除き、コーティングの光沢を維持します。研磨が大きい場合などは再度コーティング施工が必要になる場合もあります。
ガラスコーティング車の一般的な注意点
強力な洗剤や研磨剤の使用を避ける:
- 強力な洗剤や研磨剤は、コーティングを傷める原因となります。常に中性洗剤を使用しましょう。
高圧洗浄機の適切な使用:
- 高圧洗浄機を使用する際は、ノズルを車から一定の距離(30cm以上)に保ち、直接塗装面に強すぎる圧力をかけないように注意します。
自動洗車機の利用:
- 自動洗車機のブラシは塗装面を傷つけることがあるため、使用を避けるか、最新鋭のスポンジブラシなどの自動洗車機を選びましょう。
各種トラブルシューティング
コーティングの剥がれ:
- コーティングが剥がれている場合は、専門店で再施工を検討してください。早期の対応が重要です。
深い傷やスワールマーク:
- 深い傷やスワールマークは、プロフェッショナルによるポリッシングで対応します。自己修復を試みると、かえって悪化することがあります。
ウォータースポットが取れない場合:
- 専用のウォータースポットリムーバーを使用しても取れない場合は、専門店での除去を依頼することをお勧めします。
ガラスコーティング以外のメンテナンスについて
セラミックコーティングのメンテナンス
セラミックコーティングは、ナノテクノロジーを使用して塗装を保護する非常に耐久性の高いコーティングです。耐薬品性が高く、UV保護も優れています。
メンテナンス方法:
定期的な洗車
- 頻度: 2〜4週間に一度。
- 方法: 中性洗車シャンプーを使用し、二つのバケツを使う。高圧洗浄機も有効。
撥水効果の維持
- 方法: 専用のセラミックブースターやスプレーを使用し、撥水効果を強化する。3〜6ヶ月ごとに使用すると良い。
洗車水対策
- 方法: 純水器を使用することで、水垢やウォータースポットを防ぐ。
メンテナンス用コーティングの追加
- 方法: 半年から年に一度、プロの施工業者によるメンテナンス用のコーティングを追加する。
洗車後の拭き取り
- 理由: セラミックコーティングの水滴の跡を付けないようにするため。
- 方法: マイクロファイバータオルで水滴を速やかに拭き取る。
ポリマーコーティングのメンテナンス
ポリマーコーティングは、ポリマー樹脂を使用したコーティングで、比較的簡単に施工でき、光沢と撥水効果を提供しますが、耐久性はガラスやセラミックより劣ります。
メンテナンス方法:
定期的な洗車
- 頻度: 1〜2週間に一度。
- 方法: 中性洗車シャンプーを使用し、二つのバケツを使う。
ポリマーコーティングの再施工
- 方法: 3〜6ヶ月ごとにポリマーコーティングを再施工することで、効果を維持する。
撥水効果の維持
- 方法: ポリマーコーティング専用のメンテナンススプレーやリキッドを使用し、撥水効果を維持する。
汚れの早期除去
- 理由: 鳥のフンや虫の死骸、タールなどが付着した場合、ポリマー層が傷つきやすい。
- 方法: 柔らかいマイクロファイバークロスとディテーリングスプレー等で優しく拭き取る。
洗車後の拭き取り
- 理由: 水道水のミネラルやカルキ成分による、水垢やウォータースポットを防ぐため。
- 方法: マイクロファイバータオルで水滴を速やかに拭き取る。
各種コーティング共通の注意点
高圧洗浄機の使用
- 理由: 砂や泥を事前に落とすことで、コーティング層へのダメージを防ぐ。
- 注意: ノズルを車体に近づけすぎないこと。
中性洗車シャンプーの使用
- 理由: コーティング層を傷つけないため。
- 注意: 強酸性や強アルカリ性のシャンプーは避ける。
マイクロファイバークロスの使用
- 理由: 細かい傷を防ぐため。
- 注意: 使い古したタオルや粗い布は使用しない。
定期的なプロのメンテナンス
- 理由: コーティングの効果を長期間維持するため。
- 頻度: 年に一度はプロのメンテナンスを受けると良い。(お店により3ヶ月、6ヶ月のプランもあります)
まとめ
上記のポイントを守ることで、ガラスコーティング、の効果を最大限に引き出し、美しい車の状態を長期間維持することができます。
セラミックコーティング、ポリマーコーティングなども補足としてお書き致しました。
長く綺麗を維持できるようにメンテナンスをされましてお大事になさって下さい。