・ディーラーでコーティング施工をしたんだけど、さらにワックスは塗ってもいいの?
・ワックスを塗った上にコーティング剤を塗ったらもっと効果が上がるの?
・ワックスとコーティングのメリットデメリットってなに?
そこで本記事では、ワックスとコーティングどちらが良いのかわからないという方やコーティングとワックスの併用はしても良いのか?という疑問について紹介させていただきます。
本記事は、創業1991年の「東京の車コーティング専門店ポリッシュファクトリー」を営む及川が説明していきたいと思います。
何故ワックスやコーティングが必要なのか
新車でも自動車メーカーのマニュアルには外装部分の「車のお手入れ方法」としてワックスが推奨されています。
固形ワックスは古くからある方法ですが、現在はもっと簡単で効果の高いケミカル品もあります。
しかし、マニュアルを改良しているメーカーはいまだに無いようです。
ボディの外板塗装部の鉄板を守るために塗装があり、その塗装の艶や美観を維持して錆などから守るためにワックスやコーティングは必要です。
コーティングの特徴
コーティングにはいくつか種類があります。
ポリマーコーティングなど樹脂系のコーティングがかつては主流でしたが、現在ではガラスコーティングが主流かと思います。
コーティングの特徴は
- 1度の施工で長期間美観が保てる
- 洗車が楽になる
- 耐用年数が長くなる(2〜7年)
の3点になります。
コーティングのメリットデメリット
コーティングのメリットは様々な気象条件や駐車環境劣化への耐久性が高く、光沢や撥水、疏水性なども優れているというメリットがあります。
一度施工をすると数年間は水洗いという簡単なメンテナンスで維持することが可能です。
ガラスコーティングのデメリットをあえて挙げるなら、カーディーラーやプロの業者に依頼することになるため施工時間が長くかかったり施工費用が高額になりがちなことです。
またコーティング種類が多いので、適したものを選ぶのに少々悩んでしまうことです。
参考:車のガラスコーティングに潜むデメリットとは?対策はできるのか
カーワックスの特長
ワックスの多くはカルナバ椰子の葉から採取される樹脂を原料にして有機系溶剤が含み造られています。
カルナバ含有量が多いと高価になりますが、昨今では施工性を含め化学合成感の強いワックスが主流となります。
固形ワックスは、洗車後のキレイな状態にワックス塗布スポンジに小量ずつつけてボディ塗装面に塗り、乾いたところから拭き上げる作業になります。
固形ワックスの特長は濡れたような艶、柔らかい艶が特長です。比較的価格が安価なので手軽にできるのも嬉しいポイントです。
- 商品自体は比較的安価
- 施工が好きな人には楽しさがある
- 耐久性はコーティングに比べると大幅に短かい
ワックスのメリットデメリット
カーワックスは艶や水弾きが良くなり、比較的安価で施工出来るのがメリットです。
デメリットは熱に弱く、雨で流れてしまい効果が長期間継続できないことです。
またワックスをスポンジで塗る際に、隙間に入り込み乾いてしまいそれがとれなくなってしまうことです。これらがやがて水垢になったりして美観を損ねてしまいます。
持続性は約2週間前後で、カーワックスを使用して車をキレイな状態で保とうとすると、最低でも2〜3週間に1度のワックスがけが必要です。
つまりワックスがけに時間や手間がかかってしまい、手入れが大変ということです。
ワックスとコーティングの違いとは
大きな違いは3つあります。
- 耐久性の違い
- メンテナンス方法の違い
- 施工金額や施工時間
ワックス | ポリマー コーティング | ガラス コーティング | |
耐久性 | × | △ | ○ |
熱に弱く雨が降ると 流れやすい | 効果は3ヶ月から 6ヶ月位 | 1年から6年程度 | |
皮膜硬度 | × | △ | ◎ |
被膜は柔らかい | 被膜は柔らかいが 滑り感が高い | 皮膜硬度は高い | |
艶 | ○ | ◎ | ○ |
カルナバ特有の 濡れ感と高い艶 | ツルツルとした 手触りと艶 | 濡れたような艶 | |
防汚性 | △ | ○ | ○ |
ワックスが流れて 水垢になり油膜等 の原因に | 水垢は つきにくくなる | 長期間汚れが つきにくくなる | |
金額(普通車) | ◎ | ○ | △ |
1,000円〜3万円 | 2万円〜5万円 | 5万円〜30万円 |
耐久性に関してはワックスは2〜3週間、コーティングは短いもので1年、長いものでは6年などと言うものもあります。
ただしワックスは独特の手触り感や施工時の「匂い」など五感に訴えるが出来たり、「自分で出来た達成感」が味わえるので、その点に関してはコーティングよりもワックスに軍配が上がります。
ワックスのメンテナンス方法は、徐々に固着する水垢を落として再度ワックスをかける事、コーティングのメンテナンスは基本水洗いで時々専用シャンプーで洗うという程度になります。
金額はワックスは普通の商品で1,000〜3,000円、稀にあるマニア垂涎のワックスは数万円もします。
一方、コーティングは施工店と施工コースにより数万円から数十万円まで、ワックスと比べると非常に高価となります。
長期耐久性の性能的な部分では、圧倒的にコーティングに軍配が上がります。評価を性能や効果に求めた場合はコーティングが良いでしょう。
ワックスとコーティングの併用は良いのか?
- 水弾きが低下した
- 光沢が低下した
- 汚れが落としづらくなってきた
などなど、コーティング施工後に効果の低下を感じたときに、ワックス等自分で出来る事をお考えになると思います。
その際に一番有効なことは、施工したコーティングに対して推奨のケミカルの使用が良いでしょう。
通常であれば施工された専門店やディーラーコーティングのご納車の際に「メンテナンス剤」を説明書と共にいただいていると思います。
それぞれのコーティングに見合ったケミカルを使用されるのが1番よい方法です。
市販品でも対応出来る商品があるかなどは、豊富な経験のある専門店などではお教え下さると思います。
コーティングの上にワックスは避けたほうが安心
基本施工されているコーティングの液剤性能によりますので、施工されたコーティング施工店にお確かめくださるのが一番良いかと思います。
ただ多くの場合、一般的にはコーティング皮膜の上に固形ワックス等の油脂系ワックスは避けた方が良いと思います。
コーティングは水垢等がつきにくい性質なのに、その上にあえて水垢などがつきやすい性質のワックスを塗ること自体ナンセンスだからです。
そのため、重ねたい場合はワックスの塗り重ねがベストです。
ワックスの上にコーティングは無意味
欲張りな考え方としてワックスのマッタリとした艶の上に硬質で透明な輝きのコーティングを被せてしまえば「より深い艶を長く維持」という理想に近づける?!
と思われるでしょうが・・・
基本ワックスなどの油脂類の上にはコーティングは定着しないものがほとんどです。
普通コーティングをする場合はほとんどの商品は「塗装面を脱脂して下さい」と書いてあります。
つまりワックスなど油脂系の上にはコーティングは定着しないと言う事になります。
でもガッカリされないでください、そもそも現代のコーティングはワックスのようにシットリとした艶が出るコーティングもあります。
コーティングのオススメは
ユーザー様のお車に対する考え方や希望など様々です。仕上がり感や費用などを施工店にご相談されて吟味されるのが良いと思います。
ユーザーに寄り添って考えていただけるお店が1番良いですね。とにかく問い合わせに対して面倒くさがらない対応のお店がオススメです。
参考:予約が取れない、おすすめ車コーティング専門店とは。キーパーは評判悪い?
ワックスのオススメは
高級なものはザイモール、スイスバックスはじめシュアラスターやソフト99などはあります。
なかには手で塗るWAXもあります、手の温度で溶かしながら塗るというものです。
ワックスはとにかく拭き上げや仕上げが簡単で、しかも塗りやすいものが1番だと思います。
塗りやすく簡単拭き上げでムラになりにくい!! コレが選ぶ一番大切な判断軸になるかと思います。
コーティングもワックスも下地処理が肝心です
ここまでで性能や効果など概略はご理解いただけたと思います。
ワックスもコーティングも施工で一番大事なことは?!とよくお客様からご質問頂くのですが、回答としては、
コーティング剤やワックス塗布前の下地処理になります。
新車以外の場合は特に、塗装面についた水垢や汚れなどをケミカルを使い汚れを取り去り、素の塗装面をだして時間経過の少ないうちに塗布をされると良いでしょう。
まとめ
コーティングの上に、カルナバ等の固形ワックスを塗布することは、メリットはなくむしろコーティング性能をスポイルすることがほとんどです。
ガラスコーティングの性能を、最大限発揮させるためにはカルナバ等の油脂分の被膜を乗せない方が賢明です。
コーティングはワックスなどなくとも、ガラスコーティングの膜を長持ちさせるだけで、よりきれいな状態をキープすることが可能です。
ガラスコーティングの効果は2〜6年と言われていますが、駐車環境、使用状態によって時間経過と共に徐々に劣化が進みます。
そのような場合は、カーワックスを上塗りするよりもガラスコーティングを施工した業者に問い合わせをされて、自分で簡単なメンテナンスをしたり、直接メンテナンスをお願いするのがおすすめです。