ディーラーコーティングは本当に必要?!
車を新車で購入された際に営業マンからおすすめされる「ディーラーコーティング」は実際はどうなんだろう?本当に良いのだろうか?
その基準となるべく30年間以上コーティング業界にいるわたくし及川が忌憚なく色々な方面から情報をくまなくお伝えしたいと思います。
何故ディーラーはコーティングを強く勧めるのか?
何故近年ディーラーは「ディーラーコーティング」を強くお勧めするのでしょうか〜?!
ディーラーでのコーティングの立ち位置は車販売以外の収益方法として完全に定着しています。
車を売る以外に収益を上げる方法は複雑多岐にわたり、エンジンオイル交換、定期点検、などがありますが近年ではたいして儲からず原価の安い室内の除菌クリーニングとか、何度もリピートが出来る事を(サブスクチック?!)収益の柱にしようとしておるようです。
メーカーオプションではディーラーは儲からないので、ディーラーオプション押しの販売方法が隆盛です。
ディーラーが新車販売の際に儲かるオプションとは?
1.新車時のディーラーコーティング
こちらは納車時の洗車を含めてもいっぺんに出来るので、営業マンからしたら納車時の洗車が省けて一石二鳥!
2.車内抗菌コーティング
コロナ渦における除菌などで一躍脚光を浴びましたので素晴らしいオプションかと。
3.冬時期前ならアルミとスタッドレスのセット販売
ディーラーでまとめて購入するのでセット販売はよい方策ですね。
4.メーカーオプションではないディーラー取り付けのナビ
定価からせいぜい1割から2割程度の値引きでの販売が多いのでこれまた良いオプション販売かと思います。
5.バイザーとフロアマット(フロアマットは儲かる?!)
最近のフロアマットは社外の良品に比べてとても高いですね。何故最初から安く出来ないのか理解できません。
6.外車の場合5年経過後の(故障する前提)延長保証
5年経過したら壊れる前提での保障を前払いする制度。故障するかもしれないので前払いして下さいと言うのはおかしく感じるのは私だけでしょうか〜
7.バッテリー点検と交換
負荷テスターで調べて数値を出して2年に1度交換させようとします・・・(負荷のかからないテスターが存在します)
ボディコーティングとまでは行きませんが実に儲け率の高い商材となります。
などなど あの手この手で収益をあげようとしておりますね。
その中でもボディコーティングはとても売上げ的には高いものとなるので、各ディーラー必死なのです。
閑話休題
ここだけの話、30年も前の話しですが、当時のディーラーさんではコーティングなんて
「そんな眉唾物の商材良くやるよね〜」
「ニッチなところに目をつけたね〜我々は自動車販売の会社だからサァ そんなもの興味ないんだよね〜」
などと言われバカにされたものです。
その時代はカーコーティングなんてそれほど認められていなく、一部のクルママニアの間では1年もワックスがいらないんだってよ!なんで言う感じでウラでは大評判でした。
ディーラー別コーティング情報
下記にわたくしの実際の経験と、見聞きした情報をふまえてお伝えしています。(下記情報は首都圏の情報が多く情報収集後変わってしまっていることもあるかもしれませんので現在の状態を優先して下さい)
1.国産車(順不同)
レクサス
一般的に高級車といわれているためコーティング代金もお高め。液剤に関しては東京などの場合スリーボンドさん?がかかわっており(これについてはディーラーに聞いて下さい。教えてくれるかもしれません)
良く言われていて実際に関係者から聞いたことがあるのは
・黒は専門店が良いです、ディーラーではおすすめしません
黒は大変な作業になる事とクレームが多いので受け付けないらしい?!
・白などの淡色車はディーラーでも大丈夫です
淡色系はムラなどが目立ちにくくクレーム率が黒に比べて少ない?!
・スピンドルグリルなどのコーティングは行いません
もしかして 面倒くさい?! あらら・・・
などなど・・・
施行技術的に難易度が高いものや工数がかかるものは、やらない方針のように思います。
トヨタ
やはり新車を売って儲けようとしているのが有り有りと出ています。特に東京では最近ディーラーの統合などがあり現在ではモビリティ東京という会社になり全社一丸となって頑張っておられます。
新車コーティングに関しては淡色車に関しては全社的に取りこぼさないように勧めてきます。濃色車購入の場合(特に202黒)売らない方向で一致しているようです。
何故でしょうか? お客様からクレームが多く対応が出来ないからです。新車で磨き、コーティングを中途半端に施工は出来ないので出来るだけ断るのです(情けない・・・)
また契約時に「ディーラーコーティングはいりません」というお話になっていても、納車されて即当社にお持ち込みになられたユーザー様のクルマを拝見すると既に何らかのコート剤が塗られており撥水していたりもします。
特に多い車種はアルファードですが、納車までに少し時間が空くとか、若干状態が悪かったとか、納車直後にクルマが傷まないようにお節介なのかもしれませんが ランダムにされているようです。
東京ではロジテックさんとかで納車点検とコーティング?などがされているとも噂は聞いております。ディーラーコーティングとして扱われているコーティング液剤はスリーボンドさんとQMIさんでしょうか。
購入契約時にキーパーコーティングとか専門店でのコーティングをされる場合は「絶対にコーティングやワックスなどはしないで下さい」と念を押されると良いでしょう。
何故でしょうか? 他社でコーティングされる前に何かを塗られていると新車のコーティングをされる際に「弊害」になるためです。
くれぐれもご注意ください。
もしディーラーコーティング施工される場合は慎重にご検討されてください。
日産
一時期の日産は某コーティング屋さんが入り込んで別名で販売していたという記憶があります。いわゆる固形系のコーティングではなく2液で簡単に撥水がするというコーティング「ファイブイヤーズコート」というのが隆盛を極めました。
たぶん現在でも販売していると思いますが未確認です。似ている商材はソフト99のジーゾックスですね。
凄く営業マンがディーラーコーティング勧めてくるかどうかは特に耳に入ってこないのでわかりません。一頃の日産の勢いがあった頃のような感じがしないので漏れ伝わる情報も少ない感じです。
ホンダ
全社命令で「オプションのディーラーコーティングは100%取りこぼしのないように!」と言う戒厳令のようなことがあったのがつい10年以内の情報です。
またイギリスから輸入されている人気のスポーツカーなどのボディ塗装部分の点検手直しについては特殊部隊?専門の部隊があり某所で行われていると言うが結構施工歴の少ない方々が多く、その台数を今日一日でやるのは無理でしょう!! というくらい忙しい中で行われていると言うことを聞いたことがあります。
現在もそうなのかどうなのかはわかりませんが、各ディーラーの陸送される前にボディには保護剤が貼られているのですが、溶剤で除去するタイプで除去後はあまり良い状態を見たことが少ないです。
除去が完全ではなくいわゆる「やっつけ仕事」なので除去出来なかったフィルムが溶けて残っている事も散見されます。貼るシートタイプの保護シートではないのはホンダとスズキだけではなかったかと思います。
扱いのコーティング液剤はCPCコーティングや中央自動車工業さんのコーティングを扱われていると記憶しております。
マツダ
漏れ伝わる情報によると千葉県ではキーパーコーティングがディーラーに入り込み洗車からコーティングまで請け負うと言うことになったのでは?という事です。いよいよキーパーさんは安定サブスク的なところを狙っているのでしょうか〜素晴らしい商魂でうらやましい限りです。
東京でのマツダのコーティングの場合は千葉県の某所コーティングセンターで一括して行われてくると言うことです。昔のように各ディーラー単位で行われるコーティングは上手なコーティング屋さんを頼まれているか、もしかして誰かがうまい汁を吸うためのコーティングなのか?! かもしれません。
ダイハツ
ダイハツ伝統的に扱われているコーティングといえば本所興産のポリマーシーラント、メチャクチャ長い歴史です。
昨今では色々と扱いも増えて各ディーラーで扱いが違ったりますので把握できておりません。
スズキ
比較的安価で行っているディーラーコーティング。営業マンは強く推奨してくるほどでもなくディーラーコーティングのご用意はしていますよ!というコーティングではないかと思います。
専門性は低い雰囲気ですが、庶民派コーティング。
三菱
一時期のWebサイトには一生懸命詳しくかいてありましたが、ある一時期サイト更新中になっていて、気がついたときには更新してありまして、スリーボンドさんのコーティングとか他メーカーの取りそろえがありました。
しかし現在では営業所とか地方によって任せている感じがします。メーカーサイト内には「販売会社にお問い合わせください」となっています。
各種ディテーリングにはあまり力を入れている感じはしませんね。
実際問題ブランド構築でそんな暇無いかもですね。
スバル
東京スバルでは一貫して行われてきたものではなく所長権限で行われていたりする外注コーティングがあったり(現在存在しているかは存じません)某社のコーティングを社内コーティング部隊で行っていたこともあります。
ある時期では外注施工、社内コーティング部隊施工など様々に行われていた歴史もあります。
色々紆余曲折している感じです。
現在はスリーボンドさん?
2.外車(順不同)
国産車に比べ外車は船に乗って航海を経て日本の港についてPDIという検査をし、各ディーラーに運ばれ、オプションがある場合は装着後の納車になるのです。
つまり回送途中に傷がついたとかへこんだとかのリスクは国産車よりも高いのです。その際に再塗装加修になったとしてもそれを伝えられずに納車されることもありますのである程度覚悟はいります。
外車は国産車に比べて色々とおきますので覚悟がいると思います。
メルセデスベンツ
一時期はヤナセ海運さんが仕切り、各営業所には外注の個人磨き店の店主やディテーリングショップからの派遣でディーラーに常駐などされて磨きやコーティングなどを行っていたことがあった時期もありました。
ヤナセさんでは社内部隊がおりコーティングを行っているようですがとにかく「疲弊」しているご様子で、仕事量が半端ない量だそうです。仕上がった車は何度も見ておりますが仕上がりが悪いままで当社のお客様のご入庫もありました。
ある程度の時間内での縛りのある時間で作業を行っているようで、わたくしのような作業者としては可哀想になります。
欧州車のなかではPDIの仕上がりは流石のベンツという感じの仕上がりです。ですがコーティングに関しましては社内内製の場合はあまりおすすめしません。さらにおすすめしないのは外注に出している場合です。(当社が確認している車の仕上がりは、当社作業よりは時間をかけていないため?なのかクオリティは低く感じました)
もしディーラーコーティング施工される場合は慎重にご検討されてください。
BMW
当社が聞いた情報ではディーラーコーティングは驚くほど短時間で行われており専門店などの作業レベルには及ばず。内製部隊はあまり聞きませんが、営業所に作業員を送る、会社が有るようです。
つまりそのディーラーに常駐で外注を置いて洗車からコーティングまで行うらしいです。そのコーティング作業時間は2時間とも3時間とも言われております。
つまり8~10万円の仕事を1万円程度で請け負わせているとのことです。
もしディーラーコーティング施工される場合は慎重にご検討されてください。
アウディ
ある一部でのお話ですので全国の話しではありません。
東京城西地区のアウデイに縁あって泣きつかれ伺いました。(知り合いでもなんでもありませんでしたが、電話で何とかしてくれと言うことで伺いました)
その際に驚愕の事実は驚きました。内製作業で新車ディーラーコーティングを行っているのですが、その道具はみかん箱の段ボールに入っている程度なのです。
道具の少なさには驚きました。
ヘルプコールで伺ったときの状態は「あと3時間で新車の納車があるのですがムラが取れずにどうしたものか・・・」というご相談でした。
新車購入されたお客様が不幸な目に遭わないためにはと思いその営業所まで自転車で突っ走りました(へろへろです)もちろん作業環境がないので当社までお持ち込みいただき全員で修復作業にあたり事なきを得ました。つまり無事に納車出来たのです。
しかしその件で頼んで来られた営業マンからは「無事に納車出来ました」という連絡はありませんでした。一事が万事ですね。
もしディーラーコーティング施工される場合は慎重にご検討されてください。
フォルクスワーゲン
ディーゼル問題の前頃はとてもゴルフに興味がある方が沢山居られてコーティングも盛んと行われておりましたが2020年現在、コーティングにご興味のある方がとても減っている気がします。
ディーラーコーティングは販売店により(直営とそれ以外でも)ディーラーコーティングは様々で統一感は無いかと思います。
トヨタ系の場合はトヨタディーラーでで使われているコーティングが多いのではないでしょうか。
とにかく クルマ好きがワーゲンには集まらなくなってきている感じがします。
ポルシェ
東京の場合は外注で行われているようです。凄まじい台数を外注さんに請け負っているようでアップアップ状態のようです。
当社にご入庫いただいている方の新車を拝見すると急いで磨かれている様がわかりますのであまりおすすめできかねない感じです。
3000万の新車でグルングルンの磨き跡があると・・・ちょっとねぇ・・・可哀想です。
個人的にも大好きでいつかは所有したいと思っている車ですので期待します。
レンジローバー
基本的にディーラーコーティングはきっちり新車販売時に取りなさいと言う号令がかかっておるようです。他社専門店でコーティングをするので結構ですと伝えると「それでは販売できません」などという事があったとも伺っております。
新車でのディーラーコーティング販売は必死で行われているようです。
しかもコーティングがされていなくても、磨きはされているようで専門店での施工の際には弊害になるレベルでございますのでご注意ください。
ルノー
城西地区の販売店では結構高価なコーティングが用意されているようです。ディーラーとしてコーティングを推している感じはあまりしません。交渉時のテーブルにコーティング資料が置いてありますね。
フィアット
各ディーラーでディーラーコーティングとして統一感は無くそれぞれで行われている感じですね。外注作業になる事が多いので(当社入庫時に調べた分は)仕上がり感はまちまちです。
ボルボ
ある一時期までは(2015年くらいまでは)あまりディーラー自身でディーラーコーティングの興味がなかったようです。最近ではサイトでもコーティングを推しているようで、値段も4ー5年前にに比べると急に高級になりました。
以前は大きさの区分などはザックリしておりましたが現在ではきっちりと考えられており、コーティングの説明もとても上手に進化したと思います。
当社に入庫した濃色車で磨かれている新車の入庫車を拝見する限り「残念な状態が少なくはない」です。
特に濃色車はコワイデス・・・とだけお伝えします。
新古車や展示車で濃色車を購入する際は磨きやコーティングの受注には慎重にご対応ください。
ディーラーコーティングのメリット&デメリット
ディーラーコーティングの金額は?
ディーラーコーティングのラインナップはピンからキリまで安価なものから超高価なものまであり、自動車販売利益以外の収益の屋台骨になっているようです。
ですので金額は5〜6万から40万円前後と専門店と同レベル、もしくは高額なのが実情です。価格は年を追う毎に高価になっていく一方です。
つまり ディーラーにとってコーティングとは美味しいオプション商売なのです。
メリット
- 会社規模が大きい場合は安心出来るかもしれない
- 同じ車種の施工がが多いので安心
- 定期点検や車検などワンストップサービスを受けられる
- 新車購入時に値引きや無料交渉ができる
デメリット
- 液剤により効果があまり感じられないこともある
- 施行者が専門技術者でない場合がある
- 施工環境が不明で屋外保管の可能性がある
- 施工後の保管環境が屋外保管の場合がある
- 外注作業の場合がある(中間マージンがある)
初めてのコーティングで施工内容や効果がよく分からないという方や、特に美観に拘りがない方、ディーラーで新車納車時にコーティングが済んでいるほうが良いという方はディーラーでのコーティングがおすすめです
コーティングによっては美観効果があまり感じられない、すぐに水ハジキがなくなったといった口コミもあるため、愛車に拘りがある方は専門店のほうがおすすめです
最後までお読みいただきありがとうございました。ディーラーコーティングについて良く理解をされてそれぞれの使用状況や駐車環境などにマッチングしたコーティングを選んで頂き長くキレイにされてくださるようにお祈りしております。
私たち専門店は一生をかけて技術や結果を研鑽して参りたいと思っております。